讃岐平野でよく目立つ飯野山を登ったのは、寒風山・篠ヶ峰登山を終えた後だった。1996年の5月連休中のことで、寒風山から下山した後は瓶ケ森を目指す予定だった。ところがその夜より天気が悪くなる予報となっていたため、諦めて帰路につくことにした。その帰路の途中でこの飯野山の端正な姿を見て、急に登りたくなったものである。野外活動センター前に駐車して、そこよりスタートとした。飯野山の別名は「讃岐富士」。螺旋状の歩き易い登山道が付いており、登山道の幅も広く、車も通れそうなほどだった。但し、車が進入出来ないようにはされていた。そのこの螺旋状の道は、少し開聞岳に似ているのではと思えたが、土がむき出しの感じだったので風情は損なわれていた。それでも登るほどに見える風景が変わるのは面白かった。溜め池の点在する讃岐平野に南の低い山並み、北の瀬戸内海と、目を楽しませてくれた。山頂は少し広くなっており神社が建っていた。その山頂からの展望は、潅木が繁っていたために良くなかった。但し南に少し下った所に展望台があり、そこからは讃岐平野が一望出来た。帰路は、往路と同じコースを辿って戻った。この山の樹木は温暖地の低山そのもので、丈の低い常緑樹が密生していたのも印象的だった。
(2002/6記)(2013/9改訂)(2021/2改訂2) |