TAJIHM の 兵庫の山めぐり <宮崎県の山
 
冠岳    かんむりだけ 438m 日向市(宮崎県)
 
1/2.5万地図 : 山陰
 
【2013年5月】 2013-43(TAJI)
 
   山陰地区より  2013 / 5

 2013年の5月初めは宮崎県の日向市で仕事をしていたのだが、それが終わったのが2日だった。翌3日は帰るだけなので、そこで一つ山を登ってから帰ることにした。但し車が無いため、バス便か電車利用となるが、そうなると登れる山は限られてくる。新・分県登山ガイド「宮崎県の山」を開いて、日向市近郊でそれが出来そうに思えたのが冠岳だった。ただバス便がどれほどあるのかが分からなかった。そこで前夜はネットを活用して慎重に調べた。そして何とかバス利用が可能と分かり、ほっとする思いだった。
 翌3日は朝から快晴だった。日向市駅の駅前から上椎葉行きのバスに乗るのだが、朝早いバスは無いため、乗り込んだのは9時30分のバスだった。そして乗ること30分。切瀬バス停で下車とした。そこから国道327号線を西へと歩くと、左手に冠橋が現れた。その橋の先にどんと壁になっているのが冠岳だった。耳川に架かる冠橋を渡る。渡った先が滝下林道だった。その林道を左手側、東の方向へと歩いた。ガイドブックでは冠橋から林道を1.3km進んだ位置に登山口があると書かれていたので、暫くは林道歩きかと思っていたところ、橋を渡って6分ほど歩いたとき、ガイドブックに記されていない登山口が現れた。登山口は二カ所あり、一つは冠北壁に向かうもので、もう一つは尾根を登って行くコースのように思われた。林道歩きは出来るだけ避けたい気持ちがあったため、尾根コースを登って行くことにした。麓からじっくり登れるコースがあって良かったと思いながら登山口に入った。その登山コースは始めこそごく普通の里山道だったが、途中から俄然傾斜がきつくなってきた。麓から見上げるようにして眺められた冠岳なので、登山道もそれなりにきついと言うことだった。ロープを掴んで登ることが多く、もうひたすらしっかりと登る感じだった。その登山コースは目印が多いぐらい付いているだけでなく、案内標識が何とも詳しかった。数十メートルごとに10センチ単位で距離が書かれていた。両手を使っての全身運動で、大岩が現れてそれを巻くこともあった。その尾根が一度緩んだとき、左手からはっきりした登山道が合流した。当初に予定していた中腹の林道登山口からのコースと思われた。これで緩やかなままかと思っていると、また急坂が始まった。今度は背後に風景が広がって、東向かいの尾根が眺められた。その急坂が緩んでくると、山頂は近かった。冠岳の山頂は冠北岳(北峰)と冠南岳(南峰)があり、南峰の方が30mほど高い。その二つのピークが前方に眺められた。コースは先に冠北岳へと向かった。道幅は広く、漸くハイキング気分で歩けた。気温は20℃ほど。空気が乾いているので、吹く風が何とも爽やかだった。その尾根道からは右手が広く開けており、耳川の蛇行風景が眺められた。露岩地が現れて、それを過ぎた先が冠北岳だった。そこはあまり展望が良いとは言えなかったので、小休止で先に進んだ。その先で漸くハイカーと出会うようになった。緩やかに下って鞍部に着くと、そこが冠峠だった。十字路になっており、巻き道コースがここに合流していた。南の方向へと登って南峰を目指す。目指すと言っても6分も登れば南峰だった。そこが冠岳の山頂で、辺りは落ち着いた自然林の風景だった。但し展望は無し。山頂は木陰になっているだけに涼しかったが、昼休憩は少し東側に下った位置でとることにした。そちらに千畳岩と呼ばれる岩場があり、名の通りに露岩地が縦に長く広がっていた。前方は東向かいの尾根で、それを眺めながら昼食とした。その冠岳からの下山は、当初はガイドブックに従って再び冠橋に戻ることにしていたのだが、山中の何カ所かに立っていた登山地図を見ると、他にも登山口が何カ所かあり、そのまま西の方向へ下って行けるようだった。そちらに下れば縦走になるので、下山は西ルートで下ることにした。但し時間はけっこうかかりそうだった。かかってもバス便はまだ3時間先なので、焦る必要は無かった。そのコースには始めに四つの展望台を通ったが、二番目の展望台(第3展望台)には日の丸が掲げらたポールが立っており、間近に北峰が仰ぎ見られた。山並みの展望も良く、ここから見る***の姿が良かった。こちらのコースは道ははっきりしているものの、往路のコースと比べると、案内標識がずっと少なかった。***展望台を過ぎるとトラバースの道となり、その道が次第に荒れてきた。どうもマイナーコースのようだった。一度沢そばに下りて、その先に現れたのが権現神社だった。これで後はすんなりと麓へ下られるものと思っていると、今度は急斜面の下りが続いた。この下山コースも易しいとは言えないコースだった。その急斜面が緩んでくると、程なく林道に合流した。その登山口には赤テープがあるだけで、標識は立っていなかった。後は林道を北西へと下ったが、途中はかなり荒れており、四駆車でも通行は困難ではと思えた。その林道が林から抜けて明るくなると、山里が近いことを思わせるように害獣避けネットが現れた。それを潜った先でもう一度ネットが現れて、再び潜ることになった。そして舗装林道(滝下林道)に合流した。滝下林道はどうやら冠岳の裾野をぐるっと巡っているようだった。なお林道の合流点には登山口標識が立っていた。後は滝下林道を歩いて耳川に近づくだけだったが、道路には行き先表示が無いため、いきなり行く先を間違えた。始めに下り坂につられて東へと歩いてしまい、途中で引き返すことになった。また民家の集まる方向へと入って、行き止まりになることもあった。それでも何とか坪谷川のそばまで下りてきた。そこからも耳川まではまだ距離があり、結局、東郷橋まで登山口標識の位置から40分以上もかかってしまった。橋を渡って国道の出ると、そこからは北東へと歩いて山陰地区に入った。その中心部にある「東郷病院前」バス停に着いたのは14時25分。次のバスまで20分ほどの時間になっていた。
(2013/6記)(2020/11改訂)
<登山日> 2013年5月3日 9:58切瀬バス停スタート/10:04冠橋/10:13林道登山口/10:30一般コースに合流する/11:13〜18冠北岳/11:30〜43冠南岳/11:53〜12:08日の丸展望台/12:40権現神社/12:59支林道出合/13:18林道登山口/14:00東郷橋/14:25「東郷病院前」バス停エンド。
(天気) 快晴。気温は19〜20℃。湿度が低いため、からっとした涼しさがあった。少し吹く風が爽やかだった。視界はまずまず良かった。麓に下りてくると気温は23℃ほどあり、風が生暖かく感じられた。終日好天が続いた。
<< Photo Album 2013/05/03 >>
日向市駅は明るい駅だった その駅前のバス停
でバスを待つことにした
乗り込んだのは8時30分発の上椎葉行きだっ
乗ること30分 切瀬バス停で下車し、国道3
27号線を西へと歩いて行った
     
  左手に耳川が見え、冠岳が大きな姿を現していた 冠岳へは耳川に架かる冠橋を渡ることになる 冠橋を渡っているとき、耳川の流れを見た
   
     
  橋を渡った先で滝下林道を東へと歩いた 振り返って冠橋を見る 登山口が現れた それは冠北壁コースだった
       
すぐ近くに別の登山口があった そちらは尾根
コースと思えたので、そちらを登って行くこと
にした
始めはごく普通の登山道として、易しく歩いて
行けた
次第にマイナーな雰囲気となってきたが、目印
が丁寧すぎるくらい付いていた
急坂が続くようになった ロープに掴まりなが
ら登った
岩も現れて、それを巻くようにして登った 登山標識が現れた 10センチ単位の詳しさだ
った
尾根は一度緩やかになった 左手より林道終点からのメインコースが合流した 相変わらず目印が多く、詳しい標識が付いていた
また急傾斜となって、ロープが見られるように
なった
岩場も多く現れてきた 岩の急斜面をロープを伝って登る

 背後を見ると、東
 向かいの尾根が眺
 められた

   急坂を登り切ると
   一気に易しい道に
   なった
登山コースの行き先は冠北岳となっていた 木立が空いて展望が良くなってきた 背後を見ると、遠く細島港が望めた

 前方に二つのピーク
 が眺められた


     冠北岳を大きく見る

 露岩地を登って行
 く


   また背後に日向市
   街と細島港が眺め
   られた

 蛇行する耳川の
 流れが足下に眺
 められた

   冠橋を大きく見
   る

 冠北岳に着くと
 そこは樹林が囲
 んでおり、展望
 は良く無かった

 梢越しに冠南岳が
 眺められた
小休止のみで冠南岳に向かった そばでヤマツツジが鮮やかな色で咲いていた 下り出すと、南西方向に高い山が望まれた
鞍部に着いた そこは冠峠で、十字路になって
いた
すぐに冠南岳への登りに入った 5分も登れば、もう山頂が見えてきた

 冠岳の山頂(冠南岳)
 に着いた そこは落
 ち着いた雰囲気があ
 るも、展望は悪かっ
 た

    東に少し下ると千畳
    岩が現れた そこで
    昼休憩とした

 千畳岩からは東の
 展望が良く、海岸
 線近くまでの山並
 みが見えていた

  冠南岳からは西ル
  ートを歩くことに
  した
新緑の中を歩く 下っていると、また耳川が見えてきた 登山道上に露岩が現れた
丸太の階段道を下ることもあった 第3展望所には日の丸のポールが立っていた ポールのそばに四等三角点(点名・冠山)を見た
第3展望所は格好の休憩場所と思えたので、小休止とした 東を見ると山頂が眺められた

 第3展望所からは
 耳川流域も眺められ
 た 西から北東にか
 けての展望を見る

 上の写真に写る珍
 神山の尾根を大き
 く見る

 上の写真に写る仁
 久志山の尾根を大
 きく見る その右
 手後方にうっすら
 見えるのは大崩山
 系の尾根のようだ
 った

 立つ位置を変える
 と、南西方向の高
 峰も眺められた

   高峰は尾鈴山かと
   思えたのだが、後
   で調べると、神影
   山のようだった
コースの戻る コースは尾根を通らず巻き道に
なっていた
コースはマイナーな雰囲気になってしまった 
丸太で補修されている所を通る
第4展望所にも立ち寄った
ここからも耳川が眺められた 先ほど立っていた第3展望所が隣りに見えていた 第5展望所にも立ち寄った
登山道は更にマイナーな雰囲気になってきた 沢そばに下りてきた 沢が急流になっている所を見る
沢そばを離れることになった 現れたのは権現神社だった 神社を過ぎて漸く下山の雰囲気となった
途中から急傾斜となってきたので、慎重に下った 急斜面が終わって、丸太の階段道を下る 林道に下り着いた
登山口を振り返ると矢印の標識があるだけだった 林道を歩いて行くが、けっこう荒れていた 樹間を通して見えたのは坪谷川のようだった
樹林を抜けると、害獣避けのネットが現れた 展望も現れて坪谷川流域が眺められた
滝下林道に合流した そこに登山口を示す標識
があった
始めに東へと歩いてしまったが、途中で間違い
に気がついて、改めて滝下林道を西へと歩いた
その後も枝道に入って行き止まりになったりし
たが、何とか井尻地区に出ることが出来た
北東に向かって歩くようになると、冠岳の尾根
が眺められた
坪谷川に架かる新羽坂橋を渡るとき、隣りに新
しい橋が作られているのを見た
羽坂神社のそばを通った
  

 耳川に架かる東郷
 橋が漸く現れた

 東郷橋を渡るとき、
 冠山の尾根を眺め
 た
東郷橋を渡ると、国道327号線を東へと歩い
山陰地区に入って東郷病院前でバスを待つこと
にした
バス停から冠岳を見ると、冠北岳の姿が大きか
った