TAJIHM の 兵庫の山めぐり <鹿児島の山 
 
白鹿岳    しらがだけ 604.0m 曽於市(鹿児島県)
 
1/2.5万地図 : 財部
 
【2002年12月】 2002-87(TAJI)
 
   財部町の県道482号線沿線より  2002 / 12

 鹿児島県に縁遠い者にとっては分県登山ガイドの「鹿児島県の山」は有りがたい本である。2002年12月15日の日曜日はハイキングに長い時間が使えないこととなり、そこで短い時間で気軽に尾根歩きを楽しめ山として、この本を頼りに白鹿岳を選んだ。西麓の池ノ段集落からの林道を歩き始めると、辺りは最初こそ植林地だったが、登山口から尾根への登りとなって周囲は照葉樹林が占めるようになった。尾根上に出ると道は緩くなり、美しい森と相まって長閑な尾根歩きと言った雰囲気は悪くはなかった。途中では展望も現れて、大きく霧島連山が眺められた。そのままガイド本通りに静かなまま山頂へ歩けるものと考えていたのだが、中ほどで様子が一変した。北側から真新しい舗装路(林道・白鹿岳線)が延びて来ていたのである。この道が尾根沿いにどうやら山頂に向かっていた。そうなるとこの舗装路を歩くしかなかった。中央に白線も引かれて町中の道を歩いているようなもので、味気ないハイキングになってしまった。そして山頂に着くと、一帯は公園になっており、中央にはどでかい展望台まで作られていた。丁度おじいさんが孫といっしょに車で来ていたが、山頂に来たというよりも、公園で遊ぼうと孫を連れて来たといった様子だった。何とも様変わりしたものである。物静かな雑木の山頂に立つ期待は見事に裏切られてしまった。それでも展望台に上がってみた。大きな展望台だったが、北西から北にかけては喬木が多くあってそちらの展望は無かった。眺められたの南西方向だったが、モヤの強い視界になっており、風景は薄ぼんやりとしていた。それでもうっすらと桜島が遠望された。但しその桜島も中腹から上は雲に隠されていた。また高隈山地も桜島同様、モノトーンの色合いでうっすらとしか見えていなかった。一通りの展望を楽しんだものの、がっかりとした気持ちは消えず、その気持ちのまま往路を辿って帰路に着いた。その下山時のことだったが、舗装路を歩いていたときに出会った人に言われてしまった。「この山は登山する山じゃないよ」と。本が出版されて5年経っていたのだが、すっかり山が変わっていたとは思いもよらなかった。
(2003/2記)(2014/8改訂)(2022/6写真改訂)
<登山日> 2002年12月15日 10:55池ノ段集落外れからスタート/11:12登山口/11:30〜35展望地/12:05〜23山頂/13:03登山口/13:17エンド。
(天気) 空は薄晴れで、すじ雲や淡い雲が多く出ていた。南から西の空はほぼ白くなっていた。視界は薄ぼんやりとして遠方ははっきりしていなかった。軟らかな陽射しがあったため、まずまずのしのぎやすさだった。
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静かなハイキングが楽しめると歩き始めたが 尾根の途中では北が開けて好展望が広がった 韓国岳の山頂はガスに隠されていた その山並みの上に広がる澄んだ空を見る
途中から山頂まで舗装林道を歩くことになった 山頂に着くと、立派な展望台が建っていた 展望台のそばには一等三角点があった
一等三角点(点名・白鹿ノ峠)を見る 展望台に上がって下を見下ろした 床には方位盤が置かれていた

北の方向に展望は
無かった

南西方向は桜島が
望めた

右上の写真に写る
高隈山地を大きく
見る

桜島の山頂は雲に
隠されていた
南東方向となる志布志湾の方向も望まれた 南東方向もごくうっっすらとした視界だった トイレのそばには案内図が立っていた