2002年の大晦日は大隅半島南部の二山を目指した。辻岳を足慣らしの感じで登り終えると、次にこの日の本命の山として稲尾岳に向かった。道を誤らず登山口に通じる林道に入ったまでは良かったが、その林道が意外と悪路で走り難かった。道は抉れている上に上に石も多かった。それを我慢しながら走るも、なかなか登山口が現れなかった。不安が募る中で今度は林道を進めなくなった。林道に改修箇所があり、車が走れるのはそこまでだった。そこで林道途中からのスタートとなった。まだ12時前でもあり登山口は近いだろうと歩き始めたのだが、15分ほど歩いても歩く方向は西で、稲尾岳の方向には向かわなかった。詳細な地図を持っていなかったこともあって、林道を間違っているのではと疑いだした。仕方なく引き返すことにした。また車を延々と走らせて林道の入口に着くと、そこの案内板を眺めた。林道を間違ってはいなかったが、駐車地点から登山口までの距離は想像以上に長そうだった。これは改修工事が終わらないとこのコースは無理だと判断して、稲尾岳を諦めることにした。昼を十分に回っていたことでもあり、こうなると午後は簡単な山とするしかなかった。そこで「分県登山ガイド・鹿児島県の山」を参考に、目標を荒西山に切り替えた。それがまたしてもトラブルを起こしてしまった。ガイドブックでは荒西林道の終点が登山口だった。そこで順調に荒西林道に入って終点を目指したのだが、その荒西林道がすぐに悪路となった。稲尾岳の林道とさほど変わらぬ悪路だった。それでも仕方なく走って行くと、とうとう峠まで登り詰めて、次に下り坂に入った。それでも登山口は現れなかった。ここで漸く道を疑いだしてガイドブックを見直すと、どうも一つ南の林道を走っているようだった。林道の入口に戻り、今度は慎重に地図を見ながら正しい林道に入った。その林道は「林道新田荒西線」で、どうもガイドブックの方で名前を間違えていたようだった。何の事はない立派な舗装林道で、走るほどに道は細くなったが、間違えた林道と比べると雲泥の差だった。こちらもけっこう走ることになったが、行く手に荒西山が見えており安心して走った。最後は崩壊地が現れてその手前で駐車することになったが、そこから林道終点まではごく僅かな距離だった。
予定より1時間ほど遅れてのスタートとなった。登山口と山頂との標高差は200mほどだった。登山道は幅幅2メートルはありそうなゆったりとした道だった。コンクリートで舗装された部分もあって至って歩き易かった。ただこれまで登った大隅半島の山と違って樹林は疎らな感じで、大隅の山を登っている雰囲気は無かった。電波塔が近づくと登山道は急坂になってきたが、程なくNHKの電波塔が建つピークに着いた。始めそこを山頂と勘違いしてしまい、三角点探しをしてしまった。当然一帯を探しても三角点は無く、草むらにまで入ってしまった。その草むらでやっかいなことに大量のひっつき虫に付かれてしまった。そのひっつき虫は粘着性があり、取るのが一苦労だった。一つ一つ剥がすように取ったため、その作業で20分ほどかかってしまった。ガイド本を見直して、山頂が次のピークであると分かると落胆は大きかった。ただすぐには山頂に向かわず、その電波塔の位置に少し展望があったので、移動の前に少時展望を楽しむことにした。木々が少し視界を妨げており、午前の辻岳とは比べものにならなかったが、南に伸びやかに広がる山並みが眺められた。目を西に転じると錦江湾のかなたにうっすらと開聞岳が見えていた。辻岳も見えていた。山頂に向かって進むと、周囲は濃い常緑樹林が続いて数分で山頂に着いた。山頂も樹林に囲まれており、南の方向が少し開けているだけだった。その風景は電波塔と同じで、六郎館岳が眺められた。何とか別の方向に展望を得たいと思い、尾根を更に北へと辿ってみた。すると20メートルほど下った辺りで倒木が現れた。その倒の上に立ってみると、北の方向に大きな山が見えた。どうやら大尾岳(うおだけ)のようだった。その眺めに満足して山頂に戻ると、下山に移った。下山は往路を戻るのみ。登山道に関しては平凡さは否めなかったが、展望は鹿児島湾と大隅海峡が眺められて、大隅半島南部の雰囲気を十分に味わうことが出来て良かったの思いで戻った。
(2003/2記)(2025/2写真改訂) |