TAJIHM の 兵庫の山めぐり <韓国の山
水落山    すらくさん 638m (ソウル市)
 
 
【2012年4月】 2012-30(TAJI&HM)
 
   南西尾根にある463mピークより  2012 / 4

 海外の山と言っても、韓国の山なら近いこともあって他国よりは気楽に行けそうである。その韓国も田舎の山となるとアプローチが大変そうで、少し躊躇することになるが、首都ソウルにはハイキングの対象となる山があると知ったとき、まずアプローチの易しさで興味が湧いてきた。そこでインターネットで調べてみたところ、登山としても面白そうな山がけっこうあると分かって、急に行きたくなった。2012年の3月に入ってのことだったが、急な思いつきなので費用はかけたくなく、格安航空会社を利用して、フリーツアーでソウルの山を目指すことにした。格安と言っても季節によって変動があるので、航空券の安い時期と天気の良い季節の両方で考えたとき、意外と4月中が良いようだった。そこで思い立ってから僅か一ヶ月先となるが、4月5日から3泊4日でソウルを訪れるフリーツアーに申し込んだ。4日のうちの中2日が自由行動となっていたので、その2日で二山を登ることにした。どの山に登るかだったが、ソウルの山の中でも特に人気の山は、北漢山に道峰山、水落山のようで、ソウル三山と呼ばれているようだった。そこで三山のうちの二山を今回の対象とすることにした。
 4月5日は関西空港11時50分発のチェジュ航空7C1301便に乗り込んだ。韓国とは時差は無く、仁川空港には13時40分着だった。送迎バスはすぐにはホテルに向かわず、途中で免税店に立ち寄ることになった。またソウル市内はけっこう渋滞があり、中心部から少し離れたホテルに着いたときは、17時が近い時間になっていた。この韓国の山行で問題だったのは、登山ルートのことだった。インターネットではコースだけでなく、位置もよく分からなかった。そこでソウルに着いて現地の書店で地図を求めることにしていたのだが、宿泊先のホテル周辺には書店が無いとのことだった。そこで急きょ中心部の明洞(みょんどん)まで出かけることにした。地下鉄駅はホテルから近く、明洞駅まで30分ほどの距離だった。その明洞でも書店はなかなか見つからなかったが、ねばり強く探して、何とか大きなショッピングビルの地階で大型書店を見つけた。そして計画通りに地図付きの登山ガイド「登山地図200山」とソウル市の地図を手に入れた。これでようやく登山準備完了だった。明洞では夕食も済ませたので、ホテルに戻ってきたときは22時になっていた。何とも疲れた初日となってしまった。
 翌4月6日の朝は、曇り空で迎えた。前日は快晴で、この日の天気予報も晴れときどき曇りとなっていたので、てっきり青空で朝を迎えると思っていただけに、少し残念な思いで空を見上げた。今回の目的とする山は、ソウル三山のうちの北漢山と水落山だったが、初日のこの日は水落山を目指すことにした。理由としては地下鉄の駅が近いことと、標高も三山の中では一番低いため、ソウルの山に慣れる意味で一番ふさわしいのではと思えてのことだった。向かう地下鉄の駅は、山名と同じ水落山駅だった。ホテルの最寄り駅は長漢坪駅で、8時20分に東行きの電車に乗り込んだ。そして次の君子駅で地下鉄7号線に乗り換えた。後は北行きの電車にひたすら乗って行くだけだった。この移動を考えると、宿泊先のホテルは中心部から離れていることで、山へ行くには便利だったと言えた。またこの日は金曜日と平日であったため、中心部に向かう電車は満員だったが、こちらは逆方向に向かうため、座って移動出来た。水落山駅を出たのは9時前。そこから大通りを北へと歩けば、右手に水落山駅へ通じる道が分かれるはずだった。ところが標識から何からハングル文字の上に、そのハングルでも「スラクサン」の文字が見えなかった。そのため行き過ぎてしまい、一度駅まで戻ってきた。後は人に尋ねながらだったが、解れば簡単だった。駅を出て北へと歩いて、二つ目の交差点を右に入れば良かっただけだった。但し、人に教えてもらったのは、アパートの敷地内を通るショートカットの道だったが。水落山への道が解れば、後は登山地図があるので、おおよそコースをイメージしながら歩いた。小川に沿って車道を歩いていると、開いている屋台を見たので、そこで朝食をとることにした。おでんを幾つか食べて、お腹を満たした。店を出て再び歩き出したのは9時半。暫くは小川沿いの車道歩きが続いたが、沢を渡って登山道に入ると、沢沿いを登るようになった。そこからの登山の様子は、下の写真帳で見ていただきたいが、初めての韓国の山となる水落山は変化があって大変面白かった。始めは沢筋を登って行くが、岩の上を歩いたり、沢を何度も横切った。それが危ないと言うことも無く、登山道は良く整備されており、観光登山とでも呼べそうだった。おかげでけっこう楽しく登れた。また天気も次第に良くなっているようで、うっすらと陽射しを受けるようになった。周囲の木立を見ると、裸木が多かったが、新芽を出しかけた木も見られた。この日は平日ながら、前後にぽつぽつと登山者が眺められた。いつの間にか沢筋を離れて急坂を登るようになった。そして主稜線に出ると、一気に強い風を受けるようになった。気温も低く、少し厳しさが出てきた。その中を岩登りが始まった。一枚岩を登ったり、岩の狭間を登ったりするが、そこも太いワイヤロープがあって、安全に登られるようになっていた。岩登りが難しい所には階段が付けられていた。空を見ると青空が広がろうとしていた。但し風の厳しさは変わらなかった。この岩場の登りで気づいたのだが、どうも韓国には右側通行のルールがあるようだった。おかげでワイヤロープが2本張られている所は、下山者とぶつかることも無く、スムーズに登れた。山頂の南にある巨岩のピークを過ぎると、山頂が少し高いだけで目前に見えてきた。一度尾根は緩やかになり、最後にまた階段の登りとなった。着いた山頂も大きな岩の塊だった。そして一段と強い風が吹いていた。その厳しさの中で登頂を喜んだ。着いたときは一人先着者がいたが、すぐに下山したので、後は暫くの間パートナーと二人きりだった。尾根に出てからはずっと展望は良かったが、山頂はまさに360度の大展望が広がっていた。西には二つの山が堂々とした姿で並んでいた。その姿から左が北漢山で右が道峰山のようだった。その二つの山がとにかく目立っていたが、他にも多くの山が眺められた。南東方向の少し小ぶりな山は佛岩山かも知れない。そして足下から南西方向は全て町並みで、ソウル市の巨大さが窺えた。山頂に立つうちに数人の登山者が集まり出し、また空が再び曇り出した。それを見て下山とする。下るうちにいっとき小雪もちらついたが、その後は天気はどんどん快方に向かい出した。往路で登ってきた沢コースが分岐する峠の位置まで戻ってくると、そこからは主稜線をそのまま西へと向かった。下山は尾根コースを歩く考えだった。峠から60mほど登って463mピークに立つ。そこには立派な東屋が建っており、そこから眺める水落山の姿は堂々として悪くなかった。そのピークより南西方向に延びる緩やかな尾根をひたすら下った。往路は谷筋を歩くとあって展望は悪かったが、尾根コースは展望が良く、南西方向に北漢山を見ながら下った。この尾根は松の木が多く、また良く踏まれた登山道は何となく六甲山の尾根を歩いているときの雰囲気に似ていると思った。途中までは登ってくる人とよくすれ違ったが、途中からはほとんど人と会うことは無くなった。そして東屋のピークから1時間ほどで登山口に下り着いた。そこは朝に立ち寄った屋台にごく近い位置だった。後は歩道を西へと歩いて大通りに出ると、水落山駅は目と鼻の先だった。この日の水落山ハイキングを振り返ると、まるで新神戸駅から摩耶山を目指すような気安さでアプローチ出来、しかも沢沿い歩き、岩登り、大展望と変化に富んでおり、十分過ぎるくらい楽しめたとの思いだった。おかげで充実した気分で地下鉄の駅へと近づいた。
(2012/5記)(2020/11改訂)
<登山日> 2012年4月6日 8:58水落山駅スタート/登山口に通じる道路に迷う/9:12水落駅から改めて歩き出す/川沿いの道路を歩くようになる/9:20〜30途中にあった屋台で朝食をとる/9:44車道を離れて登山道に入る/10:33峠に着く/11:05[620]mピーク/11:14〜37山頂/12:12峠に戻ってくる/12:22〜28東屋の建つ463mピーク/13:24尾根コース登山口/13:36水落山駅エンド。
(天気) 朝の空は曇り空。気温は8℃で、冷たい風が強く吹いていた。尾根に出ると風は一段と強くなり、気温も6℃まで下がってきた。但し空は青空が見られるようになり、次第に晴れ間が広がってきた。山頂に着くと、風は更に強まって、強風が吹き荒れていると言った感じになった。山頂を離れる頃になって、晴れていた空がまた曇り出し、小雪が舞うこともあった。それはいっときだけのことで、下るうちに天気は快晴へと変わり、風も弱くなってきた。ふもとに着いたときは、気温は12℃まで上がっていた。視界は少しうっすらとしている程度で、悪くなかった。
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地下鉄を水落山駅で下りて、地上に出てきた 辺りの風景はまだ町中のものだった 通りは当然だがハングル文字だらけだった
方向が分からず、人に尋ねて教えてもらったの
は、マンションの敷地内を通る近道だった
東へ向かう通りを歩くようになった このまま
歩けば水落山に向かえるようだった
川沿いを歩くようになって、開いている屋台を
見たので、ここで朝飯とした 東に水落山が見
えていた
朝飯を済ませて川沿いの車道歩きを続ける 前
後にハイカーを見かけた
左手を流れる川は水量が少なかった 曇り空と
あって少し薄暗い風景だった
車道の終点となって、遊歩道に入った
遊歩道は川沿いに続いていた 橋を渡る その先から登山道らしくなった コースは二手に分かれたが、左手を進むことに
した
岩がごろごろしていたが、歩く道は整備されて
いた
見上げる先の岩山は、水落山の一部のようだっ
何度か沢を横切った
基本的に登山道は良く備されており、遊歩道と
呼んでも良さそうだった
一度平坦な所を通った 相変わらず岩が多かっ
黄色い花を付けた木を何度か見たが、アブラチ
ャンに似ていた 
上空に青空が見られるようになり陽も射してきた 沢を離れて稜線へと急坂登りが始まった 登山道は階段状で続いた
稜線が目前になった 一気に強い風を受ける 着いた位置は峠になっていた  峠からは北東方向へ向かう 岩登りが始まった
 岩にはしっかりと
 ワイヤロープが張
 られており、安全
 に登れた

   少し登ったとき背
   後を振り返る 西
   の空は雲が広がっ
   ていた
岩肌の急坂登りが続いた 上空には青空が現れ
て、次第に陽射しを受けるようになった
前方に二つのピークが望まれた 手前のピークを
一瞬山頂かと思ったが、奥の方が若干高かった
岩場が続くが、急坂ばかりで無く、尾根の緩む
ときもあった 風は相変わらず厳しかった
岩の窪んだ所に足をかけ、ワイヤを掴んで登る 620mピークが迫ってきた その620mピークには階段で近づいた

 階段を登り切った
 位置で山頂方向を
 見る

   近くで奇妙な岩を
   見た
620mピークへと最後の岩場を登る 620mピークに着くと、山頂は間近に見えて
いた
620mピークの巨岩を見上げる
少し遅れてパートナーが着く 山頂へは緩い道を歩いて行く 道そばに少し残った雪を見た
山頂が目前になる 山頂も巨岩になっていた その山頂へと、また階段を登って行く 山頂に着く 上空は青空が広がろうとしていた
山頂に立って南から西にかけてを眺める 山頂は風が一段と強く、身を切られる思いだった 道峰山を大きく見る
立つ位置を変えて南から西にかけてを眺める 北漢山を大きく見る
南東に見えたきれいな山は佛岩山のようだった 佛岩山を大きく見る 登ってきた尾根を見る
手前は463mピーク その先にマンション群
が広がる
山頂に立っていたのは20分少々 下山は登っ
てきたルートを引き返す
岩登りコース以外に巻き道コースもあったので
下山はそちらを歩いた
西の空はすっかり快晴に変わっていた 463mピークが段々大きくなってきた 峠の位置に着く ここからは463mピークを
目指す
木段の登山道を登る またワイヤロープを掴んで登るようになった 463mピークには立派な東屋が建っていた

 463mピークは水
 落山の展望台だった

 全姿がすっきりと眺
 められた
463mピークの近くからは西の山並みが雄大に眺められた 南西にはNソウルタワーの建つ南山が眺められた
南西尾根歩きを始める 展望の尾根歩きだった 尾根では松の木がよく目に付いた 尾根の雰囲気は六甲の山に似ていた
なだらかな道が続く もう寒さは感じなかった 露岩が広がっている所を下る 下るほどに北漢山が大きくなった
北漢山の三つのピークがよく分かった 静かな尾根歩きが続いた 送電塔の下を通る
     
明るい林の中を下る 登山口は近かった 尾根コースはこのゲートが登山口のようだった 朝食をとった屋台の近くに出てきた
道なりに歩いて行くと大通りに出た この風景の交差点を東へ向かえば良かったよう
だった
水落山駅に着いて、エスカレータでホームに向
かった