イングランド・ハイキングの2回目は、ノースヨーク・ムーアズ国立公園を目指すことにした。その中でも一つぐらいピークを踏みたいと地図をながめると、ノースヨーク・ムーアズの北辺、グレイトエイトンの町の近くにピューポイント(展望地)で示されたピークを見つけた。ローズベリー・トッピング(Roseberry
Topping)と示され、標高は320mとなっていた。このピークを中心に、周辺をハイキングすることにした。当日、現地までの経路は難しくないので、簡単に北に向かっていけると思っていたが、M1ロードを南に向かってしまい、次のインターチェンジで向かい直すことになってしまった。その後はM1ロードを北へと順調に走り、A168からA19へ、そしてA172へと走り、グレイトエイトンの町へと入った。そしてインフォメーション・センターを訪ねてみたが、まだ開いていなかった。ただ町に向かっている時に、前方に姿の良い小山が見えていたので、それがローズベリー・トッピングに違いないと思え、そちらに向かうことにした。なるほどローズベリー・トッピングに相違なく、地図通り駐車場も見えたので、そこに駐車した。そこよりローズベリー・トッピングに向かう道に入るべく、車道の脇を歩いて行ったが、どうもピークに向かう道が見当たらない。改めて地図を見ると、駐車場は二つあって、勘違いしていたようだった。もう一つの駐車場へ行ってみると、その脇よりピークに向かって立派なフットパスが始まっていた。再スタートをする。道は牧場に沿って真っ直ぐピークに向かっていた。ゲートを通って山道が始まった。裾野は雑木林であったが、中腹からは高い木は見られなくなり、展望はぐんと良くなった。登るうちに露岩を見るようになり、程なく山頂に着いた。そこは大きな岩場になっており、360度の素晴らしい展望が広がっていた。登って来た西の方向を見ると、延々と牧草帯の丘が広がっており、東はヒースの繁る小高い丘がどこまでも続いていた。この展望を暫しの間、大いに楽しんだ。ピークで一休みした後は、東に向かって進むことにした。一度下って登り直すとゲートがあり、その先は総てヒースの丘だった。緩やかにニュートン・ムーア(Newton
Moor)と呼ばれる丘が続いている。 その丘の最高点に立ち寄るべく、ヒース帯を貫く道を進んで行く。順調に進むかと思っていたが、丘の頂には向かわず、むしろ下って離れ出した。このままでは大きく迂回してしまいそうだったが、ピークに向かう小径が見えたので、そちらを進むことにした。その道はほとんど歩かれていないらしく、結構ぬかるんだ所もあって、まさに荒野を歩んでいる感じだった。特に頂の雰囲気も無いままピークの辺りを突っ切ると、南の方向にあるグレイトエイトンムーア(Great
Ayton Moor)に向かう道に合流した。はっきりとしたフットパスで、その道なりに南へと向かった。道幅も広くハイカーも多く通っていたが、片側は森で片側は小高くなったヒース帯になっており、あまり展望は良いとは言えなかった。暫く歩くと一般路に向かって下りだしたので、昼時でもありハイキングはそこまでとして昼食を採ることにした。そばのヒース帯に入り込んで、眺めの良い所で昼食とした。ヒースの丘と牧場や森が調和して、なかなか良い眺めだった。昼食後は、フットパスを引き返すことにした。中程まで戻ったときに、駐車地点の西方向へ向かう小径が見えたので、その道でエスケープすることにした。行く手には牧場が見えていた。始めこそ順調に下って行けたが、荒れた急斜面の滑り易い道となり、次に傾斜が緩くなった辺りで不確かになってしまった。戻るのも時間のかかることでもあり、柵を越えて牧場を突っ切ることにした。牧場の風景は、緑濃い牧草に羊や牛が放牧されたのどかなものだったが、歩いてみるとぬかるんだ所も多く、けっこう歩き難いものだった。また牧柵に沿って歩いていたのだが、なかなか目的地に近づかず、何度も方向修正をさせられた。また牧場の犬に吠えられたり、ぬかるみ地帯に入り込んだりと、なかなか苦労を強いられた。それでもなんとかローズベリー・トッピングの中腹辺りに戻り着いてフットパスに合流することが出来た。後はフットパスを歩いて、駐車地点へと戻った。この日の帰路は、東海岸の方へと走り、ウイットビーの町を通るなど、のんびりとドライブを楽しんで戻った。
(2004/5記)(2009/12改訂)(2018/11写真改訂) |