クリスマス休暇の最終日は、年が明けた2001年1月1日。この日のリーズの街は、朝はかなり濃い霧が立ちこめていたが、10時頃より薄れ出して快晴の空が現れて来た。そこで11時を過ぎて急きょハイキングに出かけることにした。目指したのはヨークシャー・デイルズ中南部に位置するマラム村。イルックリーの町までは、地形的に谷間になった所では霧が残っていたが、イルックリーを過ぎてヨークシャー・デイルズ地帯に入ると、快晴の空が広がった。マラム村を目指すため、A65をガーグレイブ村で離れて、田舎道を通って行く。途中までは快晴の空が続いて、草地の雪はほとんど溶けていたが、マラム村が近づくにつれ雲が増え出し、草地は雪に隠され出した。また路上にも雪が見られるようになった。マラム村には13時前に着く。マラム村の空は極端で、上空から東寄りでは青空が広がっていたが、太陽の方向から西はすっかり雲に閉ざされていた。太陽を隠す雲は太陽にまつわりつくようで、陽射しが現れそうで現れない。村の駐車場には結構多くのハイカーが来ていた。その人たちの歩く方向に、一緒に向かうことにした。西に向かって村中を通り過ぎた後、右手のフットパスに入った。道はデイルが崖になった方向に向かって緩やかに下って行く。その崖(Malham
Cove)に行き着くと崖はほぼ垂直で、黒ずんだ独特の色合いを見せていた。崖の途中に羊が2頭ほど佇んでいるのが見えていた。崖を見た後は、崖の脇に付いている階段状のフットパスを登って行く。そして崖の上へと出た。そこはまさにヨークシャー・デイルズの風景であった。雪で白くなった緩やかな丘が、どこまでも広がっている。その辺りで標高320m程度。南西に見える550mほどの丘のピークには、低い雲がかかっていた。崖の上はやや強い風があったが、気温は4,
5℃ほどで、さほどの寒さでは無かった。うっすら積もった雪を踏んで、麓のマラム村をよく見ようと、丘の上を北東へと歩いて行った。そのうちに天気が良くならないかと見ていたのだが、その気配は無し。東には農地が伸びやかに広がり、そして足下にはマラムの村落が佇んでいた。天気が良ければ鮮やかに見えているのにと残念である。徐々に村から離れ出したので、丘の牧草地を適当に下って車道に出た。後は車道を歩いて村中を通り、駐車地点に戻った。1.5Hほどの散策であった。帰路は、田舎道を走り、カールトン(Calton)、ヘットン(Hetton)などの小さな村を通過した。除雪されておらず、雪が多く残ったところも多くあり、スリップしないように注意しながら走る。途中、羊が道いっぱいに広がっている風景に出会った。そして東に向かうほどに天気は良くなり、美しい夕暮れの風景を見せてくれた。
(2004/11記)(2016/8改訂)(19/8写真改訂) |