2001年新年最初の週末は、ごく近場のハイキングでもと、リーズ市から25kmほど西のハワース(Haworth)の町を訪れることにした。そのハワースの町に接するハワース・ムーアと呼ばれる丘のハイキングが目的である。位置としてはヨクシャー・デイルズとピーク・ディストリクトの中間と言える。リーズの街は朝より晴れ間が広がっていたが、M62を西に向かうにつれ、雲が増えて来た。26番インターを降りてハリファックスの街を抜けた頃は、ほとんど曇り空となり、ときおり陽が射すのみの天気に変わっていた。A6033の丘越えでは、周囲の丘のピーク辺りはガスというか、雲がかかっていた。ハワースの町では昼食を求めたりしたことから、ハワースの駐車場に駐車するまでに多少の時間を食ってしまった。この頃から小雨が降り出した。12時過ぎにスタート。肌寒い天気の中、最初は雨が止むのを待つ意味もあって町中を散策したが、中心部には小粋な店が多く並び、感じのよい町だった。この町を選んだのは、ただ単にリーズの近郊で、丘のハイキングが出来る所としてだったが、ここが小説家として有名な「ブロンテ姉妹」の町で、資料館などがあって一種の観光地になっていることを知った。その後、雨が小止みになりそうに見えたので、ハワース・ムーアを目指し、通りを離れて南西の丘に向かった。町は高台に有ったため、中心部を離れて農地に出ると、直ぐに展望が良くなった。谷を挟んだ北向かいの丘にちょうど陽が当たっており、鮮やかな風景を見せていた。雲の一部が切れて陽が射すだけなので、陽は丘のごく一部だけに当たっているのだが、それがかえって風景を美しくしていた。北東遠くに広がっている町はキーグレイか。丘にかかったところで適当に草地を登り出すことにした。丘の上に出ると、縦横にフットパスが付いているのを見た。後はフットパスを適当に歩いて最高点(ペニストン・ヒル)を目指すが、丘の上はけっこう強風が吹き付けており、またときおり横なぐりに雨が降ってくるので、厳しいハイキングだった。またぬかるみにはまり込まないよう注意も必要だった。ただときおり雲が割れて鮮やかな陽が射すこともあった。丘はヒースでほぼ覆われており、樹木は見られない。程なく最高点を示す台座に着くが、あまり周囲と高さは変わらない。ただそこからは周囲を広々と眺められた。北西から南にかけてヒースの丘がなだらかにどこまでも続いている。雪はほとんど消えていた。このピークは一段と風が強く、吹き飛ばされそうなほどであった。そして風は冷たく身に凍みた。またこの頃、ミゾレ混じりの小雨も降って来た。それでもときおり陽射しが現れる。ただその陽射しが、地形の関係かなぜかいつも同じ辺りにしか射して来ない。上空には黒雲が西から速い速度で流れており、天候の回復する気配は見えない。その黒雲も、少し東の空までしか流れておらず、その先には青空が拡がっていた。陽の位置が徐々に低くなってくると、陽射しもほとんど現れなくなったので、ハイキングを切り上げることにした。そして町に戻ると、今少し町中の散策を続けた。
(2004/11記)(2010/7改訂)(2019/8写真改訂) |