前夜は仕事の関係で就寝時間が遅れ、朝がゆっくりになってしまった。そしてアパートを出たのは8時40分過ぎだった。目指すはレイク・ディストリクト北部の街ケズウィック(Keswick)。そのケズウィックの南にある600m前後の丘のハイキングを計画した。M6ロードを40番インターで離れ、ケズウィックへ向かう。西の空はに薄く雲が見える程度で、上空は青く澄んだ空が広がっていた。ケズウィックの町からはB5289に入る。すぐに
Great Wood の駐車場に着いた。日本人の訪れが多いのか、「車中に貴重品を置かないように」との注意書きが日本語で書かれていた。フットパスは始め麓の森を南に向かっていたが、谷に近づいた所で、谷沿いに登り出した。やや急坂だったが歩き易いフットパスが丘に向かって続いた。登るほどに足下にダーウェン・ウォーター(Derwent
Water)湖とケズウィックの町並みが広がった道だった。丘の上に出るとなだらかな道となったが、冷たい風が吹き付けて来た。ただ身が凍えるという感じでは無く、レインウェアを着て何とか凌げる程度だった。近くに一人でハイキングしているおばあさんを見かけたが、何とスカート姿だった。右手に小高い丘が見えたが、左手に一際高い丘が有り、そちらが始めに目指すブレベリー・フェル(Bleaberry
Fell:標高590m)のピークと思え、その丘に向かうフットパスに入る。雪はほとんど見られなかったが、途中の平地は湿地帯の様になっており、水は固く凍り付いていた。やがてブレベリー・フェルに着いたが、ピークは風が強く、長居はとても無理であった。風の来ない北側の斜面に適当な場所を見つけ、そこで休憩とした。ついでに昼食も済ませた。尾根に出てからは終始展望は良かったが、そこも好展望地で、北のスキドー山や西向かいの800m台の山並みが広く眺められた。このピークからは稜線伝いにハイ・シート(High
Seat:標高608m)を目指す。中間辺りの湿地帯でルートが分かり難くなったが、雪がうっすら積もった草地の上を適当に歩いて行く。但し、窪地に足を突っ込まないように注意を要した。東西の山並みを見ながらの縦走である。どの山もくっきりと鮮やかに見えていた。ただ終始風が吹き付けて肌寒く、のんびり気分というわけにはいかなかったが。ハイ・シートへの登りの手前には柵があって、どう越すかに少し迷ったが、柵を巡って越す位置を見つける。そして着いたハイ・シートのピークには三角点を示す台座があって、その脇で小休止とした。西向かいの山並みが雄大に見えていた。一番高く見える山はGrasmoor山だろうか。ここからはダーウェン・ウォーター湖は見えなかったが、その北に構えるスキドー山はよく見えていた。このハイ・シートのピークより下山に向かうが、北西の
Ashness の方向に下ることにした。はっきりとしたフットパスが付いており、気楽に下って行けた。途中、Derwent Water湖をよく見ようと、コースを離れて展望地の岩場に寄り道もした。ちょうど陽が射しており、足下の農場が鮮やかに見えていた。その後も順調にコースを下っていたが、やや急傾斜の岩場に着いたとき、そこの水が凍って危なくなっていた。先を歩いていた夫婦のハイカーは諦めて戻ってしまったが、慎重に下って何とか通過した。下りきると、先ほどの展望地より見えていた農場の脇に出た。後はDerwent
Water湖畔沿いにB5289の歩道を歩いて、駐車地点へと戻って行った。帰路、ケズウィックの町に立ち寄り、小時間の散策を楽しんだ。
(2004/12記)(2014/9改訂)(2019/9写真改訂) |