2001年2月にウェールズにあるブレコン・ビーコンズ国立公園へ小旅行に出かけたが、この旅行の主目的は公園内の最高峰である標高886mのペニファン山(Pen
y Fan)に登ることだった。2日目のこの日に、そのペニファン山へと向かった。9時過ぎに Abercraf 村のホテルを離れると、まずはA4067をブレコンの町へと走った。ブレコンに入るとガスステーションに立ち寄って昼食用のペイストリーを求めた。そして町の南に見えているペニファン山へと向かった。西から登る予定のためA470を南下すると、辺りの農地は霜で白くなっていた。天気はと言うと、西の方向はほぼ晴れていたが、上空より東は薄く雲がかかって薄晴れの空になっていた。前日ほどの快晴では無いようだった。地図の駐車マークを目指して進んで行くと、数台の車が止まっている駐車地点が現れた。ペニファン山の近くでもあったので、そこに駐車することにした。駐車地点のそばにフットパスの入口を見ると、そこより歩き始めた。但しフットパスの表記にはペニファン山のことは書かれていなかった。またフットパスはペニファン山がある東の方向には向かわず、北へと緩く下り坂になっていた。そしてユースホステルの前に出ると、その先で不確かになってしまった。結局、東へとペニファン山の方向に向かって、ややきつい斜面を適当に下ることになった。下りきると小川に出会った。川幅の広い所は3メートルは有りそうだったが、その小川を越さないとペニファン山には向かえなかった。川沿いを行ったり来たりして川幅の狭い所を捜すと、そこより何とか対岸に渡った。その対岸の丘にはフットパスが見えていたので、丘の麓の農道を少し歩いた後、そのフットパスに向かって丘を登り始めた。少しシダ系の枯れ草が多くて歩き難かったが、フットパスに着くと、そこはうっすらと牧草が生えているだけで後は気楽な登りだった。足下にどんどん風景が広がって、駐車地点の背後の丘(Fan
Fawr)が広く眺められるようになった。明るい陽射しに照らされていたが、空はやや薄晴れのために前日ほど鮮やかな風景では無かった。やがて丘の上に出ると、なだらかな地形の先にペニファン山の二つのピークが現れた。そこまで人影を見なかったのだが、別ルートからか幾人かのハイカーがペニファン山に向かっているのが見えた。牧柵を越してペニファン山に繋がる尾根に向かった。一帯はうっすら牧草が生えているだけで、樹木は一本も見なかった。地表の現れている所も多かった。広々とした風景だったが、ヨークシャー・デイルズに比べると赤茶けている印象を受けた。尾根を登り出すと、北側の足下に火口湖のような池を見た。最初のピーク(873m)に近づくと、大勢のハイカーがそのピークに立っているのが見えた。やや急坂となったが、道がしっかりしているので歩き易かった。着いたそのピークは平らな広々とした地形で、眺望は申し分無かった。ウェールズのなだらかな風景が周囲に広がっていた。なお他のルートから登って来る多くのハイカーも見えた。そこより最高点はもう間近だった。小休止の後、山頂へと向かった。山頂には10分とかからず着いたが、そこも平らで広々としており、同じく申し分無い展望地になっていた。そして多くの人が憩っていた。その山頂で昼食とした。気温は10℃ほどと高めだったが、風がほとんど無いためそれ以上に暖かく感じられた。半袖で立っている人もおり、2月のイギリスに居るとは思えない暖かさだった。ただ次第に空の薄雲が徐々に広がって来ていた。帰路は、[873m]ピークまで戻り、そこより人が多く歩いている南西に向かえるフットパスを下った。地図をじっくり見ると、そのルートが本来目指していた西からの主ルートのようだった。一度谷まで下って登り返すと、後はゆっくりと南西に下るのみだった。麓には広い駐車場が見えていた。ただそのまま下れば、こちらの出発地点に戻るまで長く車道を歩くことになるので、途中より北西に方向を変えて、草原を適当に下って行った。雑草が繁っており、やや歩き難さがあった。麓の道に下り立つと、更に小川に向かって羊の通るコースを下って行った。すると簡単に小川を渡れる地点に着いた。対岸の上り坂でも羊コースで登ると、ほぼ駐車地点そばに戻り着くことが出来た。この後はブレコンの町に立ち寄り、暫し町中を散策した。散策後は本日の宿に向かってA470からA483と走り、Llandrindod
Wells の町を抜けてCross Gates村に着いた。その夜は[Guidfa House]に宿泊とした。
(2005/5記)(2012/9改訂)(2021/11写真改訂) |