TAJIHM の 兵庫の山めぐり <中播磨編>
 
八重鉾山    やえぼこやま 62.0m 姫路市
坂元山     さかもとやま 91m
宮山        みややま 34.6m
 
1/2.5万地図 : 姫路南部
 
【2012年9月】 2012-83(TAJI&HM)
   市川を挟んで対岸より  2012 / 9

 姫路市四郷町は市川の左岸側の地区で、南は姫路バイパス辺りから北はJR山陽線辺りまでの範囲となっている。その四郷町で目立つのは仁寿山から麻生山へと続く尾根だが、市川の間際にも低い丘が南北に長い姿で佇んでいる。一番高い所でも91mしかないので、見過ごしてしまいそうで、実際に登山対象とは見ていなかったのだが、年とともに低山指向が強くなって、この丘も視野に入ってきた。そこでこの丘について調べてみると、北端の62mピークは八重鉾山と呼んでいると「姫路の山々」に載っていた。また他の資料から山頂までの道は山脇集落側からあるようだった。また尾根にも小径が付いているようだった。その丘のハイキングを実行したのは、2012年の9月初め、まだまだ残暑が続いているときだった。コースとしては先に八重鉾山に立ち、そこより尾根をずっと南へと歩いて、東阿保地区に下りようと考えた。駐車地点をどこにするかで迷ったが、丘の南寄り、尾根から少し東側に外れて更に小さな丘(宮山と呼ばれている)があるが、そのそばに姫路市埋蔵文化財センターが出来ており、そこを起点としてハイキングを始めることにした。車は埋蔵文化財センターの駐車場に止め、先に埋蔵文化財センターを訪れた。大きな建物のほとんどは発掘品の保管スペースのようだったが、一階の一角には展示室があり、近在の古墳から発掘された壷などが展示されていた。そこで知ったが四郷町にも古墳が多くあるようで、古墳群として阿保古墳群、見野古墳群など7箇所が紹介されていた。また資料もあったので、それを覗くと、これから向かう丘にある91mピークの辺りは坂元山と呼ばれているようだった。埋蔵文化財センターの受付で駐車場を借りる了解を得てスタートする。北へと歩いて行くに当たって、県道517号線を歩こうとしたところ、農地の中に舗装された農道のような道が平行して北へと延びていたので、そちらを歩くことにした。道幅が細いため車の通行は無く、山脇集落へと入った。集落内では路地を歩く雰囲気となり、広い道に合流した。そこからは山すそに近づこうと左に折れた。程なく印鐸神社の標識が現れて、再び路地へ入ると、左手に広場が現れた。鳥居が二つ見えており、右手は太神宮のもので、奥が印鐸神社のものだった。奥へと進んで印鐸神社の鳥居に近づくと、そこに標識があり、尾根を歩いて東阿保まで通じていることが示されていた。まずは鳥居を潜って印鐸神社への参道を歩き出した。参道は始め竹林に囲まれていたが雑木林となり、程なく石段が始まって印鐸神社の前に出た。小ぶりな神社で、そこから左手にも右手にも小径が見えていた。最初、左の小径を選んだが、すぐに終わってしまったので引き返し、改めて右手の小径に入った。小径と言うよりも車も通れそうな幅の広い野道で、緩い下り坂になっていた。その道で丘の上に向かえるのかと少しいぶかしく思いながら歩き始めたところ、程なく左手、丘の方向へと小径が分かれた。その小径は丸太の階段道として遊歩道状になっており、はっきりと丘の上に出ると分かる道だった。その遊歩道を長くも歩かず丘の上に出た。その辺りの標高は50mしかないので、当然である。そこより南が一段高くなっていたが、それが八重鉾山だった。数メートル登ると東屋に前に出たが、周囲はすっかりササが茂っていた。その東屋の北側がまだ僅かに高く、そちらが八重鉾山の山頂だった。山頂に出ると、地図には記されていない三角点をそこに見た。国土地理院のものでは無かったが、三角点と彫られていた。軽く着いた山頂だったが、一帯はササヤブになっているので、ファミリー向きとはちょっと言えない。一度は整備されたものの、後の手入れは悪いようだった。その時は展望も良かったのだろが、今は雑木が囲んでおり、視界を妨げていた。それでも疎らになっている所があって、そこからは北に広嶺山や桑原山を、西に市川の流れが眺められた。ただこの日は風がほとんど無く、そのためかヤブ蚊がやたらと飛んでいた。その蚊に刺されないようにしながらで、山頂からの展望をゆっくり楽しむとはいかなかった。ヤブ蚊を避けるようにして山頂を離れると、南へと尾根歩きに移った。尾根道も一度は整備されたようで、道幅は十分にあり良い感じで続いていた。但し蜘蛛の巣がすごかった。数メートルごとに道を塞いでいたので、常に小枝で蜘蛛の巣を払いながら歩くことになった。そのことを除けば、気楽な尾根歩きだった。周囲は雑木が囲んでいたので、展望は良いとは言えなかったが、送電塔がときおり現れて、その位置ではまずまずの展望が得られた。北東から南東にかけてで、高御位山に南山、麻生山が眺められた。途中に小さなピークがあるものの、尾根の標高差は20メートル程度だったので、散策の感じで進めた。その尾根の傾斜が増したのは坂元山への登りにかかってで、ようやく山道を登っている雰囲気になった。登ると言っても40mも登ればピークに出た。そこは様子からして古墳がありそうに見えたが、標識は無かった。ピークの南面は露岩地になっており、間近に麻生山から仁寿山に続く尾根が眺められた。坂元山のピークで一休みを終えると、更に尾根歩きを続けることにした。それまでも道なりに歩いてきたのだが、同じく道なりに下って行ったところ、道の様子がそれまでよりも少しマイナーな感じとなり、東の方向へと下りだした。どうも送電塔の巡視路と思えた。そのつづら道を下って行くと、着いた所は宮山古墳公園のそばだった。駐車地点の埋蔵文化財センターも間近に見えている。予定では尾根を南端までと考えていたので、何か途中下車したような気分になった。宮山古墳公園は宮山全体を公園化したもので、標高は35mしかない。しかも麓との標高差は20m程なので、ごくごく小さな丘だった。宮山を訪れることは予定していなかったが、目の前にあることでもあり、散歩程度の気持ちで登ることにした。登ると言っても公園の入口から階段の道を登って5分で山頂だった。山頂は単純に木を伐って広場にしただけの感じで、中央に囲いのような構造物があるものの、特に古墳公園と言った風の趣は無かった。一度、坂元山のピークまで戻って尾根歩きの続きをしようとも考えたが、暑い最中に再び登り出すのも億劫になり、ここでハイキングを終了することにした。宮山の山頂からでも埋蔵文化財センターの駐車場までは5分しかかからなかった。
(2012/9記)
<登山日> 2012年9月9日 13:32埋蔵文化財センター前スタート/13:43印鐸神社参道入口/13:48〜51印鐸神社/13:56〜14:01八重鉾山/14:18次のピーク/14:24〜32[7番]鉄塔/14:42〜50坂元山/15:00登山口/15:05〜12宮山/15:17エンド。
(天気) 雲の多い空ながらも、晴れと言えそうだった。まだまだ残暑が厳しく、山中でも31℃あった。尾根では僅かな風を受ける。その風にはほのかな涼しさが感じられた。視界はまずまず澄んでいた。
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姫路市埋蔵文化財センターに車を止めて歩き出
した
県道517号線と平行する農道を北へと歩いた 山脇集落内を抜けて行く

 八重鉾山に近づいたとき
 印鐸神社の標識を見た


    標識に従うと、鳥居が
    二つある広場に出た

    奥が印鐸神社の鳥居だ
    った
始めは竹林の中を抜けて行く また鳥居があって、印鐸神社への石段が始まった 石段が急になると、立派な手摺りが付いていた
印鐸神社に着くと、左手に小径に入ったが、すぐに終わってしまった 印鐸神社に戻って、右に見える広い道に向かった
車も通れそうな幅の広い道を北へと歩く 尾根に向かう遊歩道が現れたので、そちらに入
った
送電塔(城東支線2)のそばを通った

 尾根に出ると北側が一段
 高く、そこに東屋が見えて
 いた


      東屋に着くと、一帯はす
      っかり笹ヤブだった
      奥が今少し高く、そこが
      八重鉾山の山頂だった
    

 山頂は開けては
 いたものの、荒
 れ地に変わろう
 としていた

 山頂には三角点が
 あったが、国土地
 理院のものでは無
 かった
 

(←)
山頂からは少し展
望があり、北西に
広嶺山を見る

 (→)
  北には桑原山の尾
  根が望めた
桑原山を良く見ると、手前は庄山だった 西には市川の流れと姫路の市街地が望めた
右上の写真に見える御津山脈を大きく見る 上の写真に写る新龍アルプスを大きく見る
改めて山頂に広がるササを眺めた 八重鉾山の山頂を離れて、尾根歩きに移った 尾根道は遊歩道状の易しい道だった
季節柄、数メートルごとに蜘蛛の巣に引っかかった  山の所有者を示す標石をときおり見かけた 送電塔(城東支線1番)のそばを通過する
大きな桜の木を見た 前方が開けると、次の送電塔が冷えていた 送電塔(宮西線7番)からは少し展望が開けていた
今少し展望を得ようと、悪いと知りながら送電塔に登ると、東がすっきりと眺められた
上の写真の桶居山を大きく見る 高御位山と鷹ノ巣山が重なって見えていた 南山を大きく見る
尾根歩きを続ける 相変わらず易しい道だった 尾根の途中にも東屋が建っていた 坂元山に近づいて、少し登山をしている感じになった

 坂元山の山頂は
 こんもりとして、
 古墳の雰囲気が
 あった

  坂元山の南側は
  露岩になってお
  り、展望があっ
  た
仁寿山の山頂を大きく見る 坂元山からは登山道のままに下って行った 下る途中で送電塔(宮西線6番)に出会った
舗装路に下り着くと、近くに墓地が見えていた そばには埋蔵文化財センターの裏側が見えていた 続けて宮山古墳公園に入って、宮山を登る
標高35mの山頂まで遊歩道が続く 山頂は広く開けているもの、中央に囲いのような構造物があったが、殺風景な印象だった
宮山の山頂からは、桶居山が見えていた 山頂には少時佇んだだけで引き返した 宮山古墳公園の入口に立って、公園の標識を見る
   
公園の入口を離れて、少し離れた位置から宮山
をたる
宮山山頂から5分ほどで埋蔵文化財センターに
戻ってきた
埋蔵文化財センターの前に立つ地図を見ると、なぜ
か坂元山の位置に八重鉾山の名が付いていた