JRで姫路を発って市川を渡ったとき北東方向を見ると、庄山の近くにそれよりも低く三つのピークが並んだ山が見えて来る。これが浦山で、御国野の「裏山」と言える位置にある。2005年5月下旬の日曜日、午後のひとときを里山でも登ろうと、この山を選んだ。地図で見ると、どう見ても南西からの尾根で登るのが一番楽なようである。麓近くには神社の記号も見えている。御国野町深志野の集落に近づき、播但自動車道をくぐると、山裾の神社が見えて来た。その神社に入ろうとすると、ロープが張られて近づけない。その近くの路肩に駐車とした。この日は少しモヤがかった空ながら快晴で、午後となって気温は25度ほどになっていた。その中を山裾に向かって歩き出す。神社は大歳神社西ノ宮拝殿とあり、その裏より山道が尾根に付いていた。標高120mほどの山なのに麓と三角点ピークとの水平距離は500mもあるので、本当に緩い坂だった。木陰に入ると涼しさがあり、季節がらクモの巣に少々煩わされはしたが、ごく気楽に登って行くと、歩き始めて15分ほどで三角点ピーク(西ピーク)に着いた。そこは雑木に囲まれて展望は無かった。三角点もほぼ笹に隠されていたので、そちらは少し周りを刈って顔を覗かせた。少しは展望を得ようと近くの岩の上に立ってみる。見えたのは仁寿山と姫路東部の家並みで、モヤで薄ぼんやりと見えていた。この西ピークから先にも尾根道は続いており、辿って行くことにした。次の中央ピークは灌木程度しか生えておらず、また岩場もあって展望が良くなった。東寄りの木陰で小休止としたのだが、そこは涼しい風が通っており、まだ季節は五月であることを知らされた。展望も左手に東ピークと桶居山の山並み、足元には深志野の家並みが広がっていた。続いて東ピークへ。そちらも中央ピークと同じく展望は良かった。まだまだ尾根道は続いており、道なりに東へ。そして方向を変えて北へと緩やかに下って行くと、突然幅広い道に合流した。近くに送電塔の見えることから、巡視路と思える。北に見えた送電塔に立ち寄ると、北側から三つのピークを見る形となった。東へと尾根を辿っていたので、巡視路を戻る形で東に向かう。もう本当に歩き易い草道で、やがてやや急な坂で下り出した。辺りは竹林となり、その竹林を抜けると麓だった。目の前には地切池があり、釣り人が糸を垂れていた。そして池の向こうには、最近山裾でよく見かける特養老人ホーム(志深の苑)が見えていた。後は思出川沿いに駐車地点へと戻って行った。浦山はごくこぢんまりとした山だったが、三つのピークを巡って展望も楽しめ、夏季以外はけっこうミニハイキングを楽しめそうな山だった。
(2005/6記)(2018/9写真改定) |