雨乞山は名の通り雨乞いが行われた山で、淡路島にも幾つかあるが、その一つの淡路市生穂にある雨乞山に向かったのは、2020年12月の好天の日だった。どの山を指しているのかよく分からなかったが、「志筑」の地形図を見ると佐野新島の近くに雨乞の地名を見た。その辺りの丘の一つが雨乞山ではと思われた。そこでナビを雨乞地区にセットして車を走らせた。明石海峡大橋を渡ると東浦ICで降りることになり、後は国道28号線を南下した。国道28号線を生穂交差点で右折して離れると、北西へと少し進んだ位置で雨乞山の標識が現れた。「雨乞山登り820m」と書かれていた。それに従うともう一度標識が現れて、「380m」となり、雨乞山公園駐車場に到着した。そこに車を止めるも、そこに登山口は無かった。登山口はそばの車道を東へと100mほど進んだ位置にあった。そこからの雨乞山登山というか雨乞山散歩の様子は下の写真帳をご覧いただきたい。はっきりとした遊歩道状の小径を進むと竹林内を歩くようになり、そこを抜けると周囲は雑木林へと変わり小さな鳥居を潜った。すぐに岩が多く集まる所が現れて、そこにごく小さな祠が安置されていた。そこはもう山頂の一角で、その岩場の先で山頂に出た。山頂は公園の名の通りに開けており、大阪湾と和泉山脈の展望台だった。そこには小さな山に似つかわしくない双眼鏡も置かれていた。淡路島南部も眺められて展望に関しては良かったが、いかんせん登山口から10分ほど歩いただけなので、これでは少々物足りないと、尾根続きとなる隣の三角点ピークまで歩くことにした。北の方向へと緩やかに尾根を下って登り返す。雨乞山までは遊歩道だったが、その先は純然たる山道で、道としてはっきりしない所もあった。但し尾根筋ははっきりしていたので、尾根筋を外さないように歩いた。最後はやや急坂となって三角点ピークに着いた。そこに三等三角点(点名・生穂)を見るも、周囲は雑木が密に茂っており、展望の欠片も無かった。そのため数分居ただけで雨乞山へと引き返した。そして駐車場へと戻って行った。ところで雨乞山の山頂に立っていた案内板を見ると、雨乞山の標高は159.4mとなっていた。それでは三角点ピークを指すことになるが、雨乞いの神事が行われたのは祠も置かれている130mピークのほうではと推測されるため、あくまでも130mピークを雨乞山と考えるのが正しいのではと思われた。なお雨乞山の山頂にはアンテナがあり、そこに八咫烏(やたがらす)の絵が掲げられていたが、下山後に佐野新島に立ち寄ってそこから雨乞山の山頂を眺めたとき、アンテナと共にその絵がはっきりと認められた。
(2021/1記) |