社の地図を見ると、糠塚山の南に糠塚山よりも若干低い131mピークがあり、そこに山頂まで破線路の描かれているのが目に付いた。山頂には四等三角点(点名・明寺台)があり、点の記を見ると俗称として「名寺台(みょうじだい)」の名があり、点名と同じ名で呼ばれているようだった。道の状態さえ良ければ破線路の始まる西麓側から15分ほどで山頂に立てそうだった。
向かったのは2017年11月の第三日曜日のこと。この日は兵庫南部は晴れているものの、北部は雨模様となっていたので、播州南部の山でも登ろうと考えてのことだった。加古川バイパスを加古川西ランプで下りると県道43号線を北上した。そして細工所北交差点を右折して県道118号線に入ると中山交差点まで走り、そこを左折して県道79号線を北へと向かった。すぐに右手に溜め池が現れたが、そこが131mピークの西麓となる位置だった。駐車地点を求めて今少し北へと走ると、一台分の駐車スペースを見たので、そこに駐車とした。少し北には周遍寺へと通じる車道が始まっていた。身支度を済ませると、まずは南へと歩いた。車道と平行して幅広の歩道が付いていたが、よく見ると歩道ではなくサイクリングロードだった。左手には溜め池が三つ並んでおり、中央と北の溜め池を限る土手に入って山裾に近づいた。その山裾には地図に破線路で表された小径があるはずだったので、気楽な気持ちで近づいたところ、山裾はすっかりヤブになっていた。しかもイバラ混じりのヤブで、小径がある感じは全く無かった。それでも地図の破線路がありそうな辺りに無理やり分け入ると、何となく小径があった形跡を見た。それでもヤブであることに変わりなかった。ごく低山でもあるので形跡を辿ることにしたが、イバラを切りながらだったので、遅々として進まなかった。それでも進むうちに少しヤブがばらけることがあり、少しは進めるようになった。このヤブの状態がずっと続くのかと思えてきたとき、突然のように登山道に出会った。どうやら巡視路のようで、一気に歩き易くなった。右手の方向が上り坂だったため、そちらに向かうとプラ階段を登るようになった。すぐに送電塔(社線21番)に着いたので改めて地図を眺めると、131mピークから300mほど離れた位置だった。巡視路はそこまでだったので引き返すことにしたが、送電塔のそばからは少し展望があったので少々展望を楽しんだ。巡視路のままに歩くと北に向かうようになり131mピークに近づいた。その131mピークへは巡視路から小径が分かれており、それを辿って向かった。経路はNHKアンテナの経路のようで、少しヤブっぽい程度で登って行けた。山頂が近づいてアンテナの前に出たが、歩き易かったのはそこまでで、その先は一気にヤブになった。それを突き進むとまた小径を辿れるようになったが、山頂に着くと再びヤブの雰囲気となった。シダヤブが辺りを占めており、その中に三角点があるのかと思ったが、そのシダ帯の縁に三角点を見た。周囲は雑木が茂って全く展望が無いことでもあり、三角点を見たことですぐに下山に移った。その下山に入ってNHKアンテナのそばまで戻ったとき、そこに登り易そうなコナラの木があることに気付いた。そこで登って見ることにした。3メートルも登ればもう辺りの木々よりも高くなって周囲を眺められるようになった。西向かいは経尾山の尾根で南西には志方城山の姿も確認出来た。北西には善防山も望めた。これで展望に関してはまずまず満足して下山を続けた。巡視路に戻って来ると、引き返さず北へと歩いた。巡視路はぬかるみがあったが、ずっと平坦な道として続き、送電塔のそばを通って溜め池の前に出た。それは新池で、土手道を歩いて北側に回ると、そこからは131mピークが姿良く眺められた。その131mピークについて近くで山裾刈をしていた地元の人に聞くと、大マリ山と呼んでいるとのことだった。ただ地名の横山が正しいのではとも言われた。どうも明寺台の名では無さそうだったが、明寺台は他の地区で呼ばれているのかも知れなかった。そこまで来れば農道が通じているので、適当に歩いて県道79号線に出ると、サイクリングロードを歩いて駐車地点へと戻って行った。
(2017/11記) |