たつの市御津町中島の権現山は揖保川河口に近い西岸側にあって、東岸側からすっきりとその全姿が眺められる山で、登山道も整備されており南麓の揖保石見神社から易しく山頂に立つことが出来る。その易し過ぎる故に足を向けていなかったのだが、尾根にある展望地でのんびり昼食をとるのも良いのではと向かったのは、2020年6月下旬、梅雨空の日だった。梅雨空と言っても雨の気配は無かったので、山上での昼食を思い立ったものである。前回は揖保石見神社の境内に車を止めて歩き出していたが、着いてみると境内は玉砂利が敷かれて整えられていたので、境内は遠慮することにした。そこで神社より少し離れた畑地の一角に車を止めて、そこから歩き出した。それでも神社までは数分の距離だった。本殿の左手から始まる登山コースに近づくと、新たに害獣避けゲートが作られており、ゲートには鍵がかかっていた。一瞬これでは入れないと思ったが、良く見ると鍵の施錠番号が書かれており、容易に鍵を外すことが出来た。そこから尾根まではやや急斜面を登るが、それも30mほど登るだけで尾根筋に出た。その尾根に出た位置の間近に展望地があったが、そこは昼休憩場所と考えておりまずは山頂に向かった。北西へと尾根を歩いて行くが、ごく緩やかな尾根の上に目印が点々とあり易しい登りだった。ごく小さな起伏があり、尾根に出てから20分ほどで山頂に着いた。山頂は三等三角点(点名・中島)を中心に開けていたが、その周りは樹林がびっしりと囲んでいたため、展望は全く無かった。すぐに引き返して予定通り尾根の南東端に近い位置にある展望地で昼休憩とした。そこは露岩地になっており、南に向かって遮るものの無い展望が広がっていた。それを眺めながらの昼休憩だった。その露岩地のそばの岩場は揖保石見神社のご神体なのか、注連縄がぐるりと巻かれており、その周りを歩くことが出来た。そこで東の位置に立ってみると、そちらにも展望が得られた。その展望を楽しむと、揖保石見神社の登山口へと戻って行った。
(2020/7記) |