加西市には小さな山と言うか丘がたくさんあるが、地図を見て何とも登り易そうな丘が上野町で目に付いた。早速ネットで調べると、丘の名は三津山もしくは宮山とあり、山頂には古墳があるようだった。また南麓には石部(いそべ)神社があり、その神社から山頂へと小径が付いているようだった。その丘の標高は140mで、麓との標高差は40mでしかなかった。そのため別の山を登る前の足慣らしとして訪れることにした。
向かったのは2022年6月の第一土曜日のこと。朝から素晴らしい快晴だった。県道369号線から県道145号線へと走って石部神社に着くと、その背後の三津山は想像以上に低い姿で、単に周囲よりも少し盛り上がっているようにしか見えなかった。車は神社前の駐車場に止めた。その駐車場の一角に「石部の杜」と「播磨国風土記」の案内板が立っていた。その「石部の杜」の方を見ると、山頂への道は三つ描かれていた。神社の背後から真っ直ぐ山頂へと向かえる「参道」だけでなく、緩やかに登れる遊歩道が二つ描かれていた。一つは「ツツジの小道」で、もう一つは「カギカズラの小道」だった。まずは石部神社の前に立った。その背後から小径が始まっていると思っていたのだが、実際は神社から見て北東の位置から始まっていた。害獣避けゲートがあり、そこから三つの道が始まっていた。往路は真っ直ぐ山頂に向かえる参道に入った。参道は丸太の階段道で、その佇まいは遊歩道と言えそうだった。適度な登り易さで休まず登ると、ゲートから5分で山頂に立った。山頂には東屋があり、そのそばの一段高い所が皇塚*古墳だった。形は円墳で、そばにあった説明文を見ると直径は16〜20メートル、高さは2メートルとのことだった。山頂は南の方向に展望があり、近くにはランドマークタワーが山頂に建つ西山が眺められた。遠くは善防山や志方城山が望まれた。涼しい風に吹かれながら一休みを終えると、下山はカギカズラの小道に入った。遊歩道と思っていたのだが、その雰囲気は少しはあるもののマイナー感のある小径だった。途中からつづら折れの道となり、山頂から見て北西の位置、溜め池の前に下り着いた。そこからは山裾道を歩いて神社へと戻ったのだが、墓地の位置で山裾道は終わっていた。そこで無理やり山裾のヤブを突っ切って神社へと戻った。後で案内図を改めて眺めると、カギカズラの小道は途中で麓に下りる道から分かれていたようで、そちらを辿ればゲートの位置に戻れていたようだった。神社からはゲートの位置に戻って、ゲートを正しく締め直した。そして駐車場へと戻って行った。
(2022/6記) |