西脇市は子午線の町。東経135度北緯35度の交差地点を中心に日本へそ公園が作られており、そこは岡之山の麓でもあった。以前は岡之山公園と岡之山美術館があるだけだったが、30年ほど前に経緯度地球科学館(テラ・ドーム)が出来、その後も「宇宙っ子ランド」等が作られて西脇市ではけっこう人気スポットになっている。岡之山を登るに当たり、駐車地点はその日本へそ公園の駐車場とした。向かったのは2022年3月の三連休最終日、春分の日だった。10時に駐車場に着くと、休日とあってか広い駐車場は既に七割方埋まっていた。公園に入ると山裾に目立つ建物があり、それがテラ・ドームだった。そのそばの斜面、岡之山の西斜面に遊歩道が見えたので、それを登って行くことにした。遊歩道はつづら折れの道になっており、易しく登って行けた。登るほどに足下には公園の風景、その背後には西林寺山の尾根が広がってきた。尾根に着くと以前からある南尾根コースに合流した。その合流点から先は遊歩道ではなく、ごく普通の山道となった。そして合流点から数分も歩けばもう山頂に着いた。山全体が岡ノ山古墳とのことだったが、山頂に立っても古墳の雰囲気は無く、単に樹林となっているだけで平凡な山頂だった。展望も全く無し。その山頂には北の方向からも山道が来ており、どうやら北麓側からも登れるようだった。山頂では少時休んだだけで下山とした。下山は南尾根コースを辿ることにした。その尾根道も階段状に整備されている所があり、歩き易かった。途中に細い柱が何本も立っている所があり、そこが「日本のへそモニュメント」だった。南尾根の西斜面側にはジャンボすべり台が作られており、登山道はそのすべり台の最上部にも通じていた。下り着いた所は「宇宙っ子ランド」の一角で、入口にはジャンボすべり台の標識しかなかった。公園はすっかりファミリーの世界だった。どのファミリーも小さな子供連れで、その子供の歓声があちらこちらから聞こえていた。その声を聞きながら駐車場へと戻って行った。
(2022/3記) |