TAJIHM の 兵庫の山めぐり <北播磨編 
 
糠塚山    ぬかつかやま 150m 加西市・小野市
 
1/2.5万地図 : 社
 
【2008年8月】 2008-83(TAJI&HM)
 
   加西市網引町より  2008 / 8

 加古川市の北辺は加西市、小野市、三木市と接しているが、小さな山が幾つも連なっている。その中で小ぶりながら富士山型で目立っているのが糠塚山であろう。この糠塚山の北は平野が広がっているだけとあって、その北側から南の低山群を眺めたとき、この糠塚山があたかも独立峰のように一つだけ目立って見えている。この糠塚山に興味を持ったのは2008年の8月のことだった。その8月のお盆休暇の中で加古川市北辺の低山を幾つか登ったのだが、そのときに目に付いたのが糠塚山だった。そのこじんまりとまとまった姿に興味を惹かれて、8月最後の日に午後になってからだったが訪れることにした。ただ登山道の有無も分からないため、地形図を見てコースを決めた。その地形図は「社」で、糠塚山を見ると三角点記号は無く、山頂への破線路も記されていなかった。そこで山頂の南を通る破線路に注目して、東麓側からその破線路を歩いて行くことにした。そして南尾根に出れば後はヤブコギがあってもさほど時間はかからないだろうと考えた。
 糠塚山の東麓に広がる西脇町に着いたときは14時半を回っていた。適当に集落を抜けて山すそに近づくと、山中に向かう小径が二つ見えた。どちらも地図の破線路とは違ったが、歩いて行けそうに思えた。そこでその二つの道に近い山すそに駐車とした。小径の一つには入口に石仏が六体並んでおり、その雰囲気に釣られて歩き出すと、すぐに墓地で終わってしまった。次に今少し南に位置する小径に入った。歩き始めてこちらは送電塔の巡視路と分かり、安心して歩いて行く。道幅は十分にあり、しかもほぼ平坦な小径でいたって楽だった。但し夏の低山に付きもののクモの巣を払いながらだった。また終始木陰の中なのだが、蒸し暑く全く涼しさは無かった。程なく緩い上り坂になって送電塔(No.26)に着いた。その先はプラスチック階段もあってすっかり巡視路の雰囲気だった。その階段道を登って行くと、さほど歩かず送電塔が三つ並ぶ場所に出た。そこは山頂からは南に位置しており、巡視路はそこからは南へと下っていた。山頂に向かう道は見えない。どうやらヤブコギで山頂に向かわざるを得ないようだった。始めこそ木立は疎らで下生えも少なく何となく進んで行けたが、途中からシダが増えてきた。そのシダに突っ込まないようにシダの縁を登るようにした。それでも二度ほどシダヤブをかき分けることがあった。辺りは風も無く空気はこもっている感じで何とも蒸し暑く、このヤブコギで一気に大汗をかいてしまった。歩き易い所を探しながら迂回するように登ったので、山頂に着いたときは送電塔の位置からは20分ほどかかってしまった。その山頂は灌木や雑木が繁って薄暗くなっており、ごく普通のヤブ山の雰囲気だった。ただ下生えは少なく、うろつく分には問題無かった。この糠塚山は三角点の無い山なので、一番高い所に立ってそこを山頂の位置と思うしかなかった。そこには人為的に置かれたと思われる大きな岩があった。ひょっとすると古墳の一部ではと思われた。その周囲と言わず一帯はただ雑木が繁るのみで、木陰で休むには良かったが、展望はさっぱりだった。暫くは腰を下ろして休んでいたが、じっと汗をかいているだけでは味気ないので、このヤブ山にも展望が無いかと探ってみることにした。その山頂は緩やかな丘と言った感じで、その北辺を探っていくと、見つけようとすれば見つかるもので、高木の切れた所が幾つかあった。そしてそこからは北に千ヶ峰を遠望出来たり、西には産業団地を前景に善防山が眺められたりした。特に色付き始めた稲田が午後の光に鮮やかに見えていたのが印象的だった。この風景で糠塚山の位置を認識出来たが、展望としても魅力ある位置にあることが分かって、ここにハイキングコースが作られればけっこう面白いのではと思われた。この展望を求めてうろうろとしていたため、結局山頂では1時間ばかりを過ごしていた。下山はすんなりと登って来たコースを辿ることにしたが、ヤブ山なのですんなりとはいかなかった。木立の隙間から見える送電塔を目標にして下って行くとシダヤブに突っ込むことになり、そこで迂回を繰り返していると、登りのときよりも時間がかかってしまった。また思いっきり汗をかいてしまった。送電塔の位置からは巡視路を歩くので一気に楽になったが、その緩やかな下り坂を歩きながら、真夏のヤブ山はやはり厳しかったと思ったり、またごく気軽な気分で来たのに十分過ぎるぐらい疲れさせられてしまったと思ったり、この糠塚山の印象はけっこう強いものがあった。
(2008/9記)(2018/11写真改訂)
<登山日> 2008年8月31日 14:51スタート/15:06送電塔が三つ並ぶ位置に着く/15:23〜16:20山頂/16:46送電塔が三つ並ぶ位置に戻り着く/16:56エンド。
(天気) 良く晴れていた。前日の雨で視界も洗われてくっきりとしていた。午後の登山とあって気温は30℃ほど。風は無くひたすら蒸し暑い中で、大汗となった。
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最初に石仏の前の道を歩いたが、すぐに終わってしま
った
もう一つ別の山道を歩いて行くことにした 最初に丸
太の小橋を渡る
こちらの道は送電塔の巡視路のようで、ゆったりとし
た感じで続いていた
キノコを見かけた カラカサタケかと思えた 送電塔に着いた 道は更に西へと延びていた 山道は純然たる巡視路となって続いた
送電塔が三つ並ぶ地点に出た 山頂を目指すとシダヤブが待っていた 山頂には大きな岩が鎮座していた
最初に見つけた展望地では北の方向が望めた 左の写真の背後に広がる山並みを見る

笠形山を大きく見


篠ヶ峰の方向を大
きく見る

千ヶ峰の辺りを大
きく見る

笠形山の左手とな
る北西方向に深山
を見る

西にも展望の望
める場所があっ
て、足下には産
業団地が広がっ
ていた

善防山はその独特
の風貌で存在感が
あった
上の写真に写る王神峯辺りを大きく見る 南西方向には木立の隙間から経尾山が望まれた 下山を終えるとこの風景が広がっていた ほっとする
思いだった