TAJIHM の 兵庫の山めぐり <中播磨 
 
松尾山    まつおやま 161.8m たつの市・太子町
 
笹山      ささやま 150m たつの市
1/2.5万地図 : 龍野
 
【2006年2月】 No.2 2006-15(TAJI&HM)
 
    太子町佐用岡より松尾山を見る  2006 / 2

 たつの市の西部、誉田町にある里山の笹山、松尾山を整備して、「竜野笹山見晴らしの森」ハイキンコースが出来たのは1996年のこと。2年後となる1998年2月に一度訪れたが、遊歩道はまだ真新しさがあり、削られた土がむき出す姿は粗く、あまり風情は感じられなかった。また低山過ぎることもあって、さほど印象として残らなかった。ただこの山はハイキングコースがあることよりも、山上にある二つの大岩、男明神と女明神があることで有名で、その二つの大岩のそばへも遊歩道は巡っており、気軽に立ち寄ることが出来るようになっていた。
 2006年2月12日は、前日のモヤのきつい空は強い風で吹き払われたのか、鮮やかな視界が広がっていた。この空を見て夕飯前の軽い運動がてらに近くの低山を散歩したくなった。そこで思い付いたのが「竜野笹山見晴らしの森」だった。二つの大岩をじっくりと見てみたい希望もあった。自宅から10分ほどで、山すそにある「西はりまクリニック」に着いた。前回は男明神からのコースを辿ったので、今回は女明神側から登ることにした。そこで車は、女明神へと向かえる遊歩道の入口近くにあった空き地に駐車とした。その遊歩道は丸太の階段で始まっていた。山肌はコナラ林となっており、その落ち着きのある木々の中を遊歩道は続いていた。コナラの落ち葉が遊歩道を隠すほどに散り敷いており、その踏み心地は快かった。緩やかな上り坂を登っていると、程なく主コースから枝道が分かれた。そちらは展望舎に向かう道だった。そこにも立ち寄ろうと枝道に入った。せっかく登って来たのに下り坂となって、それが暫く続いた。陽射しこそ有ったが、けっこう冷たい風が吹く中を400mほど歩いて展望舎に着いた。展望舎の位置は北西方向が開けており、新龍アルプスがくっきりと見えていた。但し風をまともに受けることになり、すぐに退散とした。主ルート歩きに戻って尾根を登りを始めると、すぐに大きな岩の下を通った。それが女明神で、その大岩を回り込むようにして登り、大岩の上に出た。岩の上部はなだらかになっており、そこでのんびりしたいところだが、やはり強い風をまともに受けることになった。身体を揺らされるほどの強い風だった。ただ展望は先に立ち寄った展望舎の比では無く、本当に素晴らしかった。姫路南部からたつの市にかけての山並みが一望で、南西には御津山脈がシルエットでくっきりと見えていた。10分ほど岩の上で佇んでいたが、風の冷たさに身体全体が冷えて来て、たまらず退散とした。この女明神から少し登ると、「鬼の足跡」と名付けられた、小振りな岩の前に出た。なるほど足跡にも見える大きな凹みが岩に付いていた。そこは東に展望があり、松尾山の山頂部が見えていた。そこより今少し登ると、登山道は笹山山頂そばより方向を東へと変えて、平坦な道となった。途中で円勝寺跡への道が分かれたが、そちらへは立ち寄らず、先へと進んだ。コースのまま歩いて行くと、松尾山の最高点のそばを通過した。そして方向を南へ変えると、程なく四等三角点(点名・松尾)ピークに着いた。そこが松尾山山頂だった。ハイキングコースからは僅かに離れており、そこは木々に囲まれて展望は無かった。三角点の位置を過ぎれば後はもう下るだけだった。すぐに大きな岩が見えてきた。それが男明神と呼ばれる大岩で、女明神と比べると少し小ぶりだったが、丸く形よくまとまっていた。その男明神の上にも立ってみた。そこも女明神に負けない素晴らしい展望地で、南に向かって思いっきり展望が広がっていた。ここでも暫時、展望を楽しんだ。その男明神からは少し下れば、もう男明神側の登山口だった。「竜野笹山見晴らしの森」の遊歩道はゆっくり歩いても1時間ほどのコースだったが、二つの大岩とも甲乙付けがたい味わいがあり、展望も素晴らしく、ごく低山にしては十分に楽しめる面白い所ではと認識を改めさせられた。ただこの日は風の強いこともあってか、山中では誰とも会わなかった。
(2006/2記)(2009/10改訂)(2021/4写真改訂)
<登山日> 2006年2月12日 15:00女明神登山口スタート/15:13展望舎/15:24〜35女明神/15:47松尾山/15:52〜16:00男明神/16:12エンド。
(天気) 北西の風が非常に強く厳しい。但し、気温は10℃ほどあり、風の来ない所で陽射しを受けていると、十分に暖かかった。視界はくっきりと澄んで、鮮やかだった。
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笹山コースの登山口に立つと、女明神まで500mだった 女明神への道は丸太の階段で始まった 落ち葉の散り敷く道を歩いて行く

展望舎に付くと、
その名の通り好展
望が広がっていた

的場山を少し大き
く見る その手前
はたつの市街だっ

主コースに戻って登りを続けると、女明神の下に出た 女明神へは回り込む形で近づくことになった 女明神の上は平らになっており、簡単に上に立てた

女明神の上に立っ
て南東方向を眺め

南西方向は御津山
脈が望めた

御津山脈の主だっ
た山並みを大きく
見る

女明神を離れて登
りを続ける
「鬼の足跡」の前に出た なるほど足跡にも見える大きな凹みが付いていた 登山道は笹山の近くから東の方向、松尾山に向かい出した 前方に松尾山を見る 東へと歩いているとき、足下に西はりまクリニックを見た
遊歩道は常に歩き易かった 円勝寺跡への分岐点があったが直進した 松尾山の最高点そばを通って南へと下ると、四等三角点(点名・松尾)を持つ松尾山に立った 松尾山より今少し下ると、男明神の前に出た
男明神は女明神に負けない好展望の岩だった 東から南にかけてを眺めた 南西方向となる御津山脈を眺めた

上の写真に写る檀
特山を大きく見る

振り返って松尾山
を眺めた
男明神の登山口で「龍野見晴らしの森案内図」を見る 下山後に男明神を見ると、夕陽が当たっていた 男明神を少し大きく見る