松尾山は太子町とたつの市とを限る尾根にある小ピークで、笹山はたつの市の領域にあるものの松尾山とは尾根続きとなる小ピークである。その二つの山の南面側は「龍野笹山見晴らしの森」として遊歩道が巡っている。その遊歩道はなぜかどちらのピークも通っておらず、二つの大岩を巡ることを目的としている。どちらの大岩も標高110m辺りにあり、笹山側の大岩は女明神と、松尾山側の大岩は男明神と呼ばれている。どちらの岩も胸のすくような好展望を楽しむことが出来た。姫路市から近いことでもあり、足繁く訪れていてもおかしくなかったが、ハイキングとしては簡単過ぎることから2009年に歩いて以来足が遠のいていた。その笹山、松尾山を12年ぶりに登ろうと向かったのは、2021年4月の最初の土曜日だった。笹山と松尾山は西はりまクリニックを含む一連の医療施設を抱くようにして肩を並べているので、その施設内のどこかを駐車地点としたかったが、敷地は意外と狭く関係者以外の駐車は厳しそうだった。そこで少々離れてはいたが、太子竜野バイパスの近くに駐車場所を見つけて、そこより歩き始めた。県道423号線に出て西はりまクリニックの前に着くと、施設の案内板があり、そこには女明神への道と男明神への道が描かれていた。右回りで歩こうと女明神に通じる遊歩道に入った。始めに山裾を巡るようにして歩いてから北へと上り坂になった。その途中で展望デッキへの小径が分かれたので、そちらに寄り道とした。但し沖縄慰霊塔の前に出てそれを眺めると、展望デッキまで歩かず引き返した。展望に関しては女明神で楽しめるとの思惑からだった。主コースに戻ると今少し登って女明神の前に出た。その大岩の下を回り込んで大岩の上に出ると、そこは以前と変わらず好展望地で、南東から南、そして西までが一望だった。但し、この日は少しうっすらとした視界だった。登山道に戻ると更に上へと歩いた。「鬼の足跡」のそばを通りピークまで登ると、そこが笹山の山頂だった。少し手前に標識があって、山頂は「市街一望」と書かれていたが、今はすっかり木々に視界を塞がれていた。そこで登るのに手頃な木を見つけて登ってみると、標識の通りにたつの市の市街地が眺められた。その笹山からは松尾山へと東に向かうのだが、登山道は尾根筋には無く尾根より少し離れた南面側を歩くことになった。そのため松尾山の最高点はかすめるようにして通り過ぎることになった。そこで登山コースを離れて灌木ヤブの斜面を登って最高点となる170mピークに立った。そこは単なるヤブのピークだったので、すぐに登山コースに戻った。コースは下り坂となり、次の小ピークもかすめるようにして通ることになったが、そのピークが松尾山の山頂であり三角点が置かれているので、また登山コースを離れて松尾山山頂に立った。そこも単なるヤブのピークで四等三角点(点名・松尾)を見るだけだった。その先は尾根はやや急傾斜になっていたが、登山道はつづら折れで作られていたので、易しく下って行けた。尾根が緩やかになって尾根上を歩くようになると、前方に特徴のある大岩が現れた。それが男明神で、その上に立つと女明神と同様に広々とした展望を楽しめた。その男明神で昼休憩とした。男明神の位置から登山コースは尾根を離れて西斜面に続いていた。それを下りきると西はりまクリニックの北にある西はりまリハビリテーションセンターのそばに下り着いた。その登山口の近くに駐車スペースを見た。以前に車を止めたことがあったことを思い出したが、今も良いのかはよく分からなかった。後は一連の施設の中を通って県道423号線へと向かった。施設内の桜が満開だった。県道に出ると太子竜野バイパスそばの駐車地点まで7分ほど歩くことになった。
(2021/4記) |