TAJIHM の 兵庫の山めぐり <中播磨
 
才トンガリ山 165m 姫路市
 
白毛山    しらげやま 215m
 
京見山    きょうみやま 215.9m
 
1/2.5万地図 : 姫路南部
 
【2011年4月】 2011-41(TAJI&HM)
    《才トンガリ山》 才団地の西外れより  2011 / 4

 京見山と白毛山を結ぶ稜線から少し離れてトンガリ山があるが、そのトンガリ山で山火事が起きたのは2011年4月4日の昼のこと。火は二日ほどで鎮火したものの、その傷跡はひどく、トンガリ山を中心に京見山の東から白毛山にかけての南面は、すっかり黒こげの姿になってしまった。その4日後の10日に才登山口から京見山を登ったとき、その登山道のそばまで延焼しており、地表が広く焼けている所もあった。それならトンガリ山はどのような状態になっているのか、じっくり見てみたいと思った。そこで翌週の16日土曜日に、京見山から白毛山のハイキングも兼ねて、トンガリ山の状態を見ることにした。
 この日は少し青空が見えるものの、薄晴れから薄曇りと言える空だった。京見町の桜並木は10日に満開を迎えていたが、その後に花冷えの日が続いていたことで、この日にようやく散り始めていた。少し風があって、ときに花吹雪となって散る様を見るのは悪くなかった。その桜を愛でた後、京見会館横の京見町中央口からハイキング開始とした。そのハイキングの様子は下の写真日記で見てもらうとして、この日歩いたコースを紹介すると、まず京見山の山頂に立ち、白毛山への稜線歩きに移った。泣き坂峠を通って東展望台に立つと、そこからはまっすぐ白毛山へは向かわず、岩場コースを通って回り道をする形で白毛山に向かった。そして白毛山の手前にある展望の岩場で昼休憩とした。食後に白毛山に立ち、そこから引き返す形でトンガリ山への道を歩いた。トンガリ山はすっかり焼けて、何とも哀れな姿だった。その焼け跡の様子を見た後、南面に付く登山道を歩いて才天満神社の登山口へと下ったが、黒い山肌に登山道だけが白く、やけに目立っていた。
 それにしても山火事は、山の樹木にとっては大敵だと思った。大雨や台風による被害どころでは無く、何十年とかかって出来た樹相を数時間で焼き尽くすのは恐ろしいことだった。思えばトンガリ山は50年ほど前にも山火事にあっており、なかなか植生は回復しなかった。20年ほど経って少しは木立が見られるようになり、そして50年かけて8割方は回復したのではと思えた矢先のこの出来事だった。この山火事の原因は聞いていないが、トンガリ山に登山道が整備されてからタバコの吸い殻が目立つようになっていたので、タバコの火の不始末かも知れない。それならタバコを吸うハイカーは山の大敵と言えるだろう。この出来事もあって、改めて全国の山が禁煙になることを願わずにはいられなかった。
(2011/4記)(2021/5改訂)
<登山日> 2011年4月16日 10:30京見町中央口スタート/10:43尾根の展望地/10:52京見山/10:08泣き坂峠/11:24〜28東見晴台/11:40〜52岩場の展望地で昼休憩/12:01〜06白毛山/12:18〜21トンガリ山/12:44才天満神社登山口エンド。
(天気) 薄曇りから薄晴れの空。少しひんやりとした風が弱いながらも吹いていた。気温は18〜20℃ほど。視界は春霞でうっすらしており、遠くは判然としなかった。
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京見町の桜並木は、いっせいに散り始めていた 歩道は桜の花びらが積もっていた 京見会館の桜が満開だった
   
京見会館横の京見町中央登山口に入る 緩やかな里山道が続く 森の雰囲気は悪くなかった
   
右手から七つ岩を通る京見町東コースが合流した 南尾根を真っ直ぐ登るようになる 尾根の途中にあった展望台で足を止めた
   
展望台から見る風景は春霞でうっすらとしていた この大岩が現れると山頂は目前だった 登山道に咲くスミレを見る
     
京見山の山頂に着いた 薄晴れの空だった 山頂にある一本の山桜が満開だった 山頂から北を見る そちらも春霞で視界は悪かった
    
京見山を離れて東へと尾根道を歩いて行く 登山道にサクラの花びらを多く見た 右手に則直コースが分かれた
    
ツツジの咲く尾根道を歩いて行く 木立の隙間から黒こげの山肌が見えだした 泣き坂峠に着く ここまではいつもの風景だった
    
泣き坂峠を過ぎた途端、焼け跡が現れた 立木は残っており、地表が焼けていた 180mピークへと登る すっかり焼けた所もあった
    
180mピークに着くと、焼けていない所も現れた 焼けた所と焼けていない所が交互に現れた 焼けていない所では満開のミツバツツジを見た
    

 東見晴台に近づくと
 そこは一帯が黒こげ
 だった

   見晴台のベンチは残
   っているものが多か
   った
   
南にトンガリ山を見る 山頂は丸焼け状態だった 黒こげの地表を見る 地表をよく見ると、ササの若葉が顔を出だしていた
        
尾根コース歩きを続ける トンガリ山への近道が現れたので、そちらに入る この道そばも全焼状態だった
   
全焼状態でも若葉が萌え出ていた トンガリ山の焼けている状態がよく分かった 山火事をまぬがれた桜が満開だった
     
岩場を歩いて行く 白毛山とトンガリ山を結ぶ登山道に合流した 先に白毛山に向かった
   
途中にあった大岩の上に立つ ここで昼食とした 東の風景が望めたが、薄ぼんやりとしていた 食事を終えて白毛山に向かう ここは燃えていない
    
白毛山に着いて、巨大な電波塔を見上げる 山頂のベンチで一休み 東にうっすらとした仁寿山を見る
     
白毛山より京見山山頂を望む 引き返す形でトンガリ山に向かった まさに全焼地帯の中心部を歩いて行く
     

 トンガリ山の山頂手
 前で歩いてきた道を
 振り返った

    トンガリ山の山頂に着
    いた ここはもともと
    裸地なのであまり変わ
    っていなかった
      

 西を見ると、京見
 山の東側も大きく
 焼けていた

   東見晴台が見える
   ようになっていた
       
パートナーが岩場に立って広畑の町を眺めている 下山は才天満神社コースを下って行った 南面は難をまぬがれた木は無さそうだった
     

 下山の途中でトンガ
 リ山を振り返った

   南面はまさに焦土地
   帯だった
    
ふもとが近づいて山火事地帯を抜け出した 才天満神社の登山口に下り着いた 才天満神社の前はサクラが満開だった