才トンガリ山で山火事があったのは2011年4月のこと。その後の数年は同じ季節に登って、樹木の再生状況を観察していたが、2019年以降は怠っていた。そこで3年ぶりに定点観察をしようと2022年4月中旬に向かった。登山口がある才天満神社には駐車スペースが無いため、自宅から神社まで徒歩で移動した。神社に着いてみると、本殿正面の階段は新しくなっており、手摺りも付けられていた。境内の東隅から登山道は始まるが、その佇まいは以前のままだった。山火事跡を登るようになると、黒焦げの木々はほぼ消えていたが、新たな木々が増えてきている感じは無かった。山火事以前でも斜面の木々は少なかったので、これは仕方の無いことと思われた。下生えとなる笹は、鹿の食害か半分ほど枯れたようになっていた。その中で多くの松の木が生長しているのを見た。それと今は新緑が萌え出ようとしており、その若葉の美しさが目を楽しませてくれた。尾根に出て尾根道に合流すると、そこから僅かな距離で山頂に着いた。この日は4月にしては気温の高い日で、陽射しの下では初夏の暑さに感じられた。但し空気はさらっとしていた。山頂で昼休憩をとると、その後は京見山に向かう予定をしていたのだが、気温が意外と高かったこともあり、この日は才コースに入って下山することにした。その才コースは往路コースが尾根道に合流した地点の少し先で、左手に分岐していた。始めは北へと斜面を下った。鞍部に着くと、そこからは西へと谷筋を下った。その下りで足の痛みがぶり返してきて、一挙に歩度が落ちてしまった。そろりそろりと下って泣き坂コースに合流した。後は南へと下って才登山口へと向かった。
(2022/4記) |