たつの市の中心部より少し北に「そうめんの里」が建つが、ちょっとした観光スポットになっている。その背後に小さく佇むのがこの愛宕山で、南麓から遊歩道が山頂まで通じている。その入口からならゆっくり歩いても20分とかからず山頂に立つことが出来る。この小さな山には2005年の梅雨時に登っていたが、まさに梅雨の天気のために、せっかくの山上展望を十分に楽しむことが出来なかった。そこで別の山に登った帰路にでも今一度立ち寄ろうと考えていた。そして実行したのが2007年の年末に近いクリスマスイブの日だった。この日は午前に佐用町の多賀登山を登っていたが、澄んだ空を見て午後にもう一つ登っても面白いのではと考えて、思いついたのがこの愛宕山だった。多賀登山からならちょうど帰路のルート上にあり、好都合だった。
駐車地点は前回と同じく「そうめんの里」の裏手にある墓地の駐車場とした。そこより山裾道を歩いて5分で遊歩道の入口に着いた。前回は6月とあって蒸し暑さの中を登ったのだが、この日は冬の好日。遊歩道は山の南面に付いているため常に明るい陽射しを受けることになり、快い暖かさの中を登って行けた。低山の登山は晴れた冬の日が一番ではと改めて思わされた。その遊歩道のことだが、もう傷んできたのか、補修用の丸太が所々に積まれていた。そして山上に出ると、くっきりとした展望が足下に広がっていた。愛宕神社では東から南にかけてを、山頂では南から南西方向にかけての展望を楽しんだ。その穏やかな田畑の広がる風景を眺めていると、古代の人も同じように山上展望を楽しんでいたのではと、ふと思えた。そして古代も現代も時間の差など一瞬のことではとも思えて、ちょっと妙な気持ちにさせられた。
(2008/2記)(2011/3改訂)(2019/7写真改訂) |