八丈岩山は蛤山と並んで姫路市街の北にあり、周囲を住宅地に囲まれている。どちらもごく小粒な山で、10分も登れば山頂に着いてしまう。しかし登り味は対照的である。蛤山はなだらかな尾根道で、子供でも簡単に登れるのに対して、八丈岩山は急坂が続き、滑らないように注意を要する。その八丈岩山に登った1999年7月は、暑さの非常に厳しい日に登っていたので、是非とも爽やかな季節にも訪れたいと考えていた。再訪は2003年11月23日のこと。この日は午後になって鮮やかな陽射しが広がり、視界は申し分のない澄み様だった。そこで午後も十分に回ってから行動を開始し、まずは蛤山に登り、夕方が近づいた頃に八丈岩山へと向かった。南側の山裾には開発中止の住宅地があったが、その一角に駐車して歩き始めた。前回と同じく西新在家の登山口から登り始める。一汗かきたい気持ちで急坂を一気に登って行くと、山頂の平坦地に出た。そこの南側に露岩があり、一番の展望地になっていた。蛤山に比べると少し立木が眺望を妨げるが、それでも姫路市街を始めとして東から南へかけての市周辺の低山が一望だった。夕方も近いだけに視界は一段と澄んでおり、何もかもがくっきりと鮮やかに見えていた。目を凝らすと淡路島の先端に鳴門大橋が望め、そして四国の山並みがその右手に続いていた。小休止の後、この日は道なりに尾根を辿ることにした。小径は西へと続いており、少し下ると平坦な尾根道となった。途中に露岩があり、そこからは書写山を始めとして北西の展望が良かった。道は程なく尾根なりに北西へと向きを変えて下り坂となる。そして急坂となり、一部にはロープも付けられていた。送電塔を過ぎると、道はその点検路の様になり、最後にもロープがあって車道に下り着いた。そこは辻井東山公園の北東角に近い所であった。上り下り共に急坂があって、小山ながらも結構いい汗をかけるコースとなっており、蛤山とはまた違った趣のある山歩きが出来た。
(2003/11記)(2012/5改訂)(2020/8改訂2) |