相生市の宮山はJR相生駅から近いとあって、駅からハイキングの出来る山の一つと言えそうで、その考えで向かったのは2017年12月の第三日曜日のことだった。この日は朝から快晴で、しかも澄んだ空だった。こうなるとすかっとした展望がある山の山頂に立ちたいと思った。なぜか車を動かすのが億劫に思えて、電車で行ける山はないかと考えて思い付いたのが宮山だった。
JR相生駅を降り立ったのは10時半過ぎ。駅前からは宮山の山頂がちらりと見えていた。その山頂に向かって駅前の住宅地を抜けて行くと、那波本町へと入り、20分も歩けば八幡神社に通じる通りに出た。正面に神社を見て、その背後は宮山だった。神社の境内に入ると左手へと向かい、階段道に入った。道が二手に分かれると、左手を進んで広場に出た。忠魂碑が建っており、そのそばを通って尾根歩きを始めると、墓地を抜けることになった。その先は里山道の雰囲気となって、照葉樹林帯を進んだ。その樹林もすぐに抜けて、広々とした露岩地を登るようになった。背後に相生市街の風景が一気に広がってきた。左手は赤穂の山並みだった。その辺りが宮山ハイキングのハイライトで、風は冷たいながらも気持ち良く登って行けた。その展望を楽しみながら登って140mピークに出ると、そこからは山頂へと北東方向に向かった。少し樹林があって、その先はまた露岩地登りだった。そして山頂到着となった。山頂には誰もおらず、一人で山頂展望を楽しめることになった。前方で対峙するのは天下台山で、その間は相生市街が広がっていた。そして瀬戸の方向を見ると、西島を囲む海が光っていた。快晴の空と澄んだ視界に、存分に宮山を楽しんだ。その山頂を後にすると、この日は道なりに北へと向かった。以前に隣の150mピークまで歩いたことはあったが、更にその先へと歩いて行くことにした。雑木帯の中を易しい道が続いて150mピークを越すと、その先も易しい道のまま下り坂となった。木々の隙間からは山陽新幹線が見えていた。そのままどんどん北へと下って行くだけだと思っていると、道が二手に分かれることになった。真っ直ぐ北へ向かう道と逆にトラバース道として南に向かう道だった。そこに着くまでひたすら北へと歩くつもりだったが、南に向かう道は那波小学校に出られるようだった。そうなると南への道に興味が湧いて、この日はそちらに向かうことにした。歩き易いまま緩やかに下って行くと、途中からは樹林帯に入ることになり、そして谷筋歩きとなった次第に道がはっきりしなくなってきて適当に歩く感じとなったが、ときおり目印テープを目にしたのでコースとしては間違っていないようだった。そのうちにまた道がはっきりしてきて、標識通りに那波小学校のそばに出てきた。小学校は立入禁止なので小学校の外縁を歩いて行くと、校門の近くに出た。近くには八幡神社が見えていた。どうやら宮山を周回で歩いたことになったようだった。後は来たときと同じく那波本町の住宅地を抜けてJR相生駅へと向かった。
(2018/1記)(2020/2改訂) |