御津山脈の中央部から東部にかけて、X山、Y山、Z山と変わった山名を持つ山が並んでいる。正式名と言うか古くからの呼び名は別にあるのだろうが、最近はこの名が通用しているようである。その一つのX山の東側には岩見梅林が広がっており、梅の季節に一度訪れたとき、その鄙びた佇まいに好感を持てたものである。その岩見梅林をX山との組み合わせで再訪することにしたのは、2012年3月の最終日だった。この日は午前は曇り空。午後に晴れ間が広がりだしたものの強い風が吹いており、また北はまだ雲が広がっていた。そこで午後の短い時間の中で簡単なハイキングをと考えたとき、X山と岩見梅林を併せてのハイキングを思い付いたものである。例年なら既に梅は終わっているのだが、この年の3月はずっとと言ってよいほど寒い日が続いていたので、梅が満開を迎えたのは20日も過ぎてからだった。そこで開園期間は過ぎていたものの、梅はまだ十分に楽しめるだろうと考えて向かった次第だった。前回はX山だけでなく、稲富山から北山まで歩いていたが、今回はX山だけを登ることにした。スタート地点は前回と同じく岩見坂の北麓にある町民グランドのそばからとした。グランドの駐車場は閉められていたが、そばを流れる西瀬戸川の土手には駐車スペースがあったので、そこに駐車とした。まずは西瀬戸川に架かる西瀬戸橋を渡ると、岩見坂に向かって歩き出した。岩見坂は揖保川町側からは直線道路の上に緩やかな坂とあって、多くの車が速度超過気味で走っていた。そのため車に気を使いながら坂を登った。峠の位置まで来ると、右手にY山の登山口が現れた。反対側のX山への登山口は御津町側へと少し下った位置にあり、コンクリートの小径で始まっていた。その後の登山の様子は下の写真帳でご覧いただきたいが、ルートはおおよそ次の通り。少し荒れた登山道を登ってX山へ。そのX山を越えて少し下った位置で現れる丘の風景が岩見梅林だった。花の盛りは過ぎてはいたものの、花を楽しめる分だけは十分に残っていた。その岩見梅林からは北へと車道を歩くと、車道は程なく終点となった。その先は小径となっていたが、はっきりとしない小径で、目印テープを頼りに木立の空いた所を歩く感じだった。谷の位置まで下るとごく小さな沢があり、後は沢沿いの小径を西へと歩いて行った。林を抜け出ると溜め池が現れ、一帯は農地になっていた。その先にタキロンの大きな工場があり、工場の周囲を巡る車道を歩いて行った。そして最後に西瀬戸川の土手道を歩いて駐車地点へと戻って行った。実際に歩いたのは1時間半ほどもない簡単なミニハイキングだったが、展望岩ありヤブ歩きあり、また梅林見物に林の中のそぞろ歩きありとけっこう楽しめたので、意外と充実出来たのではの思いを持ってハイキングを終了した。
(2012/4記)(2021/6改訂) |