この日は単独行。西蒲田山だけを登ろうと考えて、山田トンネルの西麓側から登ることにした。その西麓側、広畑区西蒲田に西蒲田公園がありそこに車を止めた。その西麓側からは尾根へと続く幅4メートルほどの作業道がありそれを歩いた。ただその道が尾根に着く手前で荒れ出して、草ヤブや笹ヤブの中を歩くことになった。それでも道としてははっきりしていた。山田トンネルの上となる鞍部に着くと、南北に延びる太子町と姫路市との境界尾根に合流した。尾根にははっきりとした尾根道があり、ヤブから解放されることになった。少し登ると送電塔が現れた。そこは展望があり、眼下に姫路バイパスや山陽新幹線の高架が眺められた。また東向かいの苫編山の尾根も見えていた。その送電塔の位置を過ぎると、尾根は平坦となり歩き易くなった。ごく低山なのに植林も見られて、ちょっとした山を登っている雰囲気があった。西蒲田山が近づくと尾根の傾斜が増してきた。露岩部も現れて、そこを登っていたときに後ろを振り返ると、南に白毛山を見た。西には木々の上に城山が覗いていた。その辺りは陽射しをまともに受けたので、暑さは一段と厳しかった。おまけに急坂とあって真夏にはけっこう辛い登りだった。喘ぎながらも一気に登って山頂に着いた。山頂には四等三角点(点名・西蒲田)が置かれており、その周囲は疎らな雑木林だった。もう汗まみれで、Tシャツを絞ると汗が滴り落ちた。まずは山頂の木陰で一息入れた。息が鎮まると東斜面を少し下って、マイクロウェーブ反射板のそばに立った。そこに展望はあるとは言っても反射板に視界を大きく妨げられており、その反射板越しに東向かいとなる籾取山の尾根を眺めた。その反射板の近くに古墳があり、石囲みで口が大きく開いていた。いかにも石棺が納められていた感じがあった。山頂で20分ほど過ごすと下山に移った。始めは東斜面をヤブコギで下る考えを持っていたのだが、この暑さで十分疲れておりそのような気力は無くなっていた。そこで下山は往路コースをすんなり戻ることにした。本当に真夏の真昼どきのしかも低山を、強い陽射しの下で下るのは厳しさがあった。それも下山を終えた後は体はさっぱりしており、もう登っていたときの苦しさは忘れて登って良かったの思いに変わっていた。
(2005/10記)(2023/2写真改訂) |