「笠原」の地図で笠松山を眺めると、北西尾根の端近くに三角点ピークが認められた。点の記を見ると点名は剣坂山になっていた。地名が東剣坂町でもあるので、剣坂山と呼んでもよさそうだった。兵庫北部が時雨気味のときにでも登ろうかと考えていたところ、2017年11月の勤労感謝の日がちょうどそのような天気となった。県道372号線を北上して剣坂交差点まで来たとき、少し離れて剣坂山を眺めると、緩やかな尾根の端近くで小さなピークがちょこんと頭をもたげていた。それが剣坂山で麓との標高差は120mほどでしかなかった。その剣坂山へのアプローチは地図を見て北面側の中腹に描かれていた神社までの実線路とすることにした。車を北斜面側へと近づけると、神社コースの近くで墓地を見たので、その墓地の駐車場に車を止めた。そこからは山裾道を歩いて神社コースに近づいた。柏原農園のそばを通ると石灯籠が現れて、参道が始まる雰囲気となった。そのコースの入口に標識があり、そこに書かれていたのは「笠松山登山口」だった。どうやらそこから笠松山まで登山道があるようだった。その登山口までは長駅から2.3kmとあったので、笠松山の長駅コースと呼んでもよさそうだった。その登山道に入るには害獣避けの金属柵のゲートをまず通ることになった。その先は適度な傾斜の登山道で、始めに竹林を抜けて、後は雑木林の中を登って行った。落葉樹の紅葉が進んでいた。道なりに登って行くと、当然と言った感じで神社の前に出た。そこは地図にあった神社の位置ではなく、今少し登って標高190m辺りの位置だった。その小ぶりな神社は熊野神社で、背後が一段高くなっていた。小径が付いており上がってみると笠松山と善防山の並ぶ姿が眺められた。尾根までは今少し歩くことになったが、神社までの易しい道とは違ってヤブっぽい道となった。それでも道としてははっきりしており、100mも歩けば尾根に出た。そこから南東に向かえば笠松山で、北西の方向が剣坂山だった。笠松山の方向には小径が続いていたが、剣坂山方向は単なるヤブだった。それもイバラ混じりで少々やっかいだった。仕方なくヤブに突っ込むとすぐにばらけた感じになり、何とか尾根を辿れるようになった。210mピークに出ると、そこからは北の方向に向かった。尾根筋がはっきりせずまたヤブに突っ込むことになったが、下るうちに尾根がはっきりしてきた。軽いヤブコギだったが、緩い下り坂だったので足の負担は軽かった。剣坂山が近づくと、歩く方向は西に変わっていた。一度展望が現れて南東向の尾根が眺められると、その辺りより上り坂となり、程なく剣坂山に到着となった。少しヤブっぽい程度の山頂で、三角点はシダに隠れていた。そこで三角点周りのシダを刈って三角点を顕わにした。その山頂から展望はないかと辺りを見回すと、北の方向に木々の切れ目があり、そこから見えていたのは日光寺山、深山で、その右手の大きな山は笠形山だった。展望が良いとは言えなかったが、それだけ眺められれば十分だった。そのまま北へと下れば麓に着けるのだが、下山は引き返すことにした。但し笠松山コースまで戻る気はなく、駐車地点の真南辺りまで戻ってきたとき、北斜面に入って駐車地点に向かった。やや急斜面ながらヤブでもなく、木に掴まりながら下ると無理なく下って行けた。どんどん下ると緩斜面となり、竹林に下りてきた。そこを抜けるとドンピシャで墓地のそばに出た。但し害獣避けの金属柵を越さねばならなかったが。下山は24分しかかかっておらず、何とも早く戻って来られたようだった。
(2017/12記)(2019/6写真改訂) |