播磨アルプスを登るとなるとどうしても高御位山、鷹ノ巣山が主体となってしまい、西尾根及び東尾根の低山とは疎遠になっていた。そこで久々に西尾根を歩いてみようと向かったのは、2022年12月に入っての最初の火曜日で、前日に雨が降った関係かこの日の視界は澄みきっていた。鹿島神社の駐車場に車を止めると、まずは鹿島神社へと向かった。神社の境内には登山口の位置を示す大きな案内板があり、スムーズに登山口に入った。始めは石段だったが、害獣避けゲートの先は純然たる山道になった。尾根の鞍部に出ると、地徳山へは南に向かうことになるのだが、そこに着いて反対方向にある百間岩を登りたくなった。パートナーは乗り気でなかったので、パートナーを尾根の展望台に残して一人で百間岩を登ることにした。靴底のかかりが良い岩の大斜面を一気に登って行く。百間岩を登りきると姫路火力東線32号鉄塔まで歩いて、そこで展望を楽しんだ。澄んだ視界のおかげで、どの方向の山並みも鮮やかに眺められた。鉄塔から引き返すと、慎重に百間岩を下った。展望台でパートナーと合流すると、改めて地徳山に向かった。灌木に囲まれた尾根道は一定の傾斜で続いていた。ときおり露岩の上を歩いた。休むこともなく一気に歩いて地徳山の山頂部に出た。地徳山の山頂は南北に長くなっており、三角点は無いこともあってその中ほどで休憩とした。周囲を雑木に囲まれていたものの意外と展望は良く、立つ位置を色々変えると、ほぼ全方位が眺められた。澄んだ視界は続いており、北西方向は後山だけでなく、その左手には那岐山までも眺められた。南東方向を見ると、明石海峡大橋の背後にうっすらとながらも金剛山の尾根を見た。その山頂で昼食とした。休憩を終えると更に南へと尾根歩きの続きに入った。すぐに前方の尾根が眺められるようになり、二つのピークが並んでいた。左のピークは大谷山で、右のピークは豆崎奥山だった。その道中も展望があり、展望を楽しみながらの尾根歩きでもあった。大谷山は通過点の雰囲気だったため、足を止めずに通過した。豆崎奥山の方は三等三角点(点名・大谷1)があり、そこでは暫時の休憩をとった。そこも展望があって東の方向が開けていた。その豆崎奥山の山頂も南北に長く、三角点の位置よりも少し南側の方が幾分高いように思われた。その南側からは瀬戸の方向が眺められた。豆崎奥山からは下る一方となった。地形図では破線の道が二手に分かれた後、再び合流することになっていた。その分岐点に着くと標識が立っており、右手の道は豆崎登山口に下りる道で、その先はJR曽根駅だった。左手の道は中所登山口に出られるようだった。駐車地点に近づける左手の道に入った。尾根の道もそうだったが、中所登山口への道も終始はっきりした道で、ヤブっぽくなることは全く無くスムーズな下りだった。もう一方の道と合流することも無く害獣避けゲートを抜けると、住宅地のの一角に下り着いた。そこに登山口標識は無かった。すぐには車道に出ず、山裾の小径を北へと歩くと、標識に従って住宅地に入った。標識の目的地はJR曽根駅だったが、広い道に出ると反対方向となる北へと向かった、すぐに鹿島神社の大鳥居が見えてきたので、後はそれに向かって歩くだけだった。そして登山口のゲートを抜けてから20分ほどの車道歩きで駐車場に戻ってきた。快晴だった空もその頃には雲の多い空に変わっており、播磨アルプスの山並みは陰りがちになっていた。
(2022/12記) |