旧揖保川町碇岩の北山を西麓側から周回で歩こうと向かったのは2023年4月の第三火曜日のこと。駐車地点は少し離れた揖保川グラウンドのそばとした。北山をゆっくり眺めながら近づこうとの考えからだった。そのため農道を歩いて西尾根の端に近づくまで15分ほどかかることになった。北山の南西麓にはタキロンシーアイ株式会社の揖保川事業所が建っており、その駐車場が間近に見えていた。西尾根の山裾は害獣避けネットが張られていないため、適当に取り付けることになった。尾根は緩やかな上に灌木は疎らとあって、木々の空いている所を探りながら無難に登って行けた。ときおり灌木の小枝を払う程度の軽いヤブコギだった。110mピークまで登ると、前方に160mピークと山頂が重なるようにして見えていた。暫くは灌木帯の尾根歩きが続いたが、160mピークが近づくと露岩が現れて、そのため一気に展望が良くなった。160mピークから先も露岩部があり、前方に山頂を大きく見ながらの下りだった。もうヤブっぽさも無く尾根を進めた。以前ははっきりした尾根道があったのではと思われた。展望もあって、その展望を楽しみながら山頂に近づいた。そして西尾根端に取り付いてから1時間で山頂到着となった。7年ぶりの山頂だった。ぱっと見た感じは以前と変わらぬ山頂だったが、展望は北だけでなく東、南、西と全方位にあり、以前よりも良くなっている印象を受けた。少し木が伐られたのかも知れなかった。その山頂では少ない木陰で昼休憩とした。ひたすら静かな山頂で40分ほど過ごすと、下山は南へと向かえるコースに入った。以前も歩いたコースだった。急斜面だったがロープが張られており、道もはっきりしていた。おかげで無難に谷筋に下り着いた。後はその谷筋を西へと歩いて戻るだけだったが、地図に描かれている破線コースが途中からはっきりしなくなった。それでも一帯はほぼ平坦な上に笹が疎らに生えているだけだったので、適当には歩いて行けた。それも溜め池が現れると、その先ははっきりした道があり、程なく車道に合流した。その車道は合流点からは南の方向に折れて福井農場に向かっているのだが、そちらは立入禁止になっていた。車道に入って西へと歩くとタキロンシーアイのそばを通るようになり正門の前に出てきた。そこにも立入禁止の標識を見た。どうやら不用意に福井農場へ入らないための警告のようだった。タキロンシーアイの駐車場の位置からは往路で歩いた農道には向かわず、農地の一番南の農道を歩くことにした。その農道に入る手前が公園になっており、ちょうど八重桜が満開になっていた。それを暫し眺めてから揖保川グラウンドへと戻って行った。
(2023/5記) |