京見山の北麓側は太子町原だが、そこに農業者公園があって桜の季節には用水路を囲む桜並木が周囲の景観とマッチして絵になる光景を作ってくれるので、一度花見をしたいと考えていた。それを実施したのは2018年のことだった。車で公園に向かえばただの花見になってしまうので、ハイキングの形にしたく京見山、白毛山を組み合わせることにした。向かったのは4月4日で、朝の空は花曇りと呼べそうな薄曇りの空だった。その空が次第に良くなって、薄青空までになってきた。まずは京見町の桜通りを歩いて登山口に近づいた。京見町の桜は満開でもう散り始めようとしていた。中央登山口に入ると、足下に桜の花びらをよく見た。それはヤマザクラのもので、頭上を見るとほぼ葉桜に変わろうとしていた。代わりに咲いていたのはコバノミツバツツジで、赤紫色の花をあちらこちらで咲かせていた。京見山の山頂に着くと、春休みの最中だけに子供を連れたファミリーの姿を見た。山頂で足を止めることはせず、すぐに北面側の登山道に入った。北面側のコースは道幅が少し細くなって、いかにも山道を歩く感があった。その北面側の方がツツジは多いようで、満開のコバノミツバツツジを良く見かけた。登山道は途中で原池コースと原コースに分かれたので、右手の原コースに入った。暫くは緩やかな道だったが、途中からプラ階段となり、それが麓近くまで続いた。プラ階段が終わって道が緩やかになると竹林に入り、そこを抜けて原集落の一角に出てきた。そこから農業者公園はもう近かった。そちらへと歩くと大歳神社の鳥居を潜ることになり、その先の車道を横切った所が農業者公園の入口だった。公園内の桜並木も満開の見頃になっていたが、この日は平日とあって人は少なく、東屋に数人、遊歩道に数人を見るだけだった。遊歩道をそぞろ歩きした後、「原大好橋」の近くで用水路のそばに下りて、そこで花見とした。頭上を桜の花が飾っており、また風があって花びらを散らせていた。そこは車道とは離れているとあって別世界になっており、花見には絶好の場所と言えた。桜の花も良し、用水路を埋める花びらも良しと言った中で暫し贅沢な時間を過ごした。その花見を終えると白毛山登山に向かった。適当に東へと歩いて山陽新幹線の側道に入ると、その車道は新池のそばを通った先で白毛山に向かい出した。YMCAのキャンプ場そばを過ぎると、NTTドコモの管理道路となった。その舗装路をずっと歩いて白毛山の山頂に向かった。管理道路は緩やかに作られていたため長く、新池のそばから30分かかって管理道路の終点に着いた。そこが白毛山の山頂で、白毛無線中継所がどんとばかりに建っていた。気温は京見山に立ったときよりも上がっており、山頂広場では26℃までになっていた。山頂は少々展望があって姫路市街が眺められるも、春霞なのか薄ぼんやりとした視界のため、すぐに京見山への縦走路に入った。その縦走路を忠実には辿らず、途中でトンガリ山への道に入った。そしてその途中の荒れ地でこの季節ならではのワラビ採りを楽しんだ。ただ少し時期的に早いのか、ワラビはちらほら見る程度だった。それでも20分ほどで一食分を摘むことが出来た。その後は縦走路に戻り、東見晴台、180mピークを通って泣き坂峠に下りてきた。そのまま進めば京見山だったが、そこまででけっこう足が疲れていたことでもあり、また空も曇り空へと変わってきたこともあって、京見山まで歩くのは止めることにした。そこで泣き坂峠からは南へと才登山口に向かった。久々に歩く才コースは表土が流されて石ころが目立つようになっており、荒れてきているように思えた。それも麓が近づくと以前のように歩き易くなってきた。そして広場に出るとその先は墓地で、墓地を抜けて才集落へと近づいた。
(2018/4記)(2020/3改訂) |