播州南部が紅葉を迎えるのは例年11月の末だが、2013年もその通りで、12月が目前になってどの山も明るい茶や黄の色で彩られるようになった。そこで11月の最後の日に白旗山に登ったのだが、その道中で見た大谷山が全山を色付かせていた。それが印象的で、さっそく翌日に大谷山を登ることにした。12月1日の午後のことだった。午前はほとんど雲の見られない空だったのに、午後に入って雲が増えてきており、陽射しは現れたり消えたりを繰り返していた。大谷山南麓の西脇地区に入ると、石切八社主神社から少し離れた農道脇に駐車とした。住宅の間を抜けて石切八社主神社への石段を登り、小さなお堂の前に出ると、その右手からまた石段が始まっていた。竹林に囲まれた石段を登ると古びた山門が現れ、それを潜ると古びたお堂の前に出た。それが石切八社主神社だったが、10年前の前回にも感じたが神社なのかお寺なのかはっきりしない建物だった。その右手より登山道が始まっていた。登山道はつづら折れの道になっており、緩やかな傾斜のまま登って行けた。道そばには石仏があったり石仏のない祠があったりと、けっこう宗教色のある登山道だった。それも登るほどに見られなくなった。東尾根を登るようになると、程なく露岩地が現れた。そこはなかなか良い展望地だったが、その展望は下山時に楽しむことにして足を止めずに先へと進んだ。その辺りから紅葉の木を多く目にするようになった。それは良いのだが、次第にシダが増えてシダヤブの様相になってきた。足下の小径もはっきりしなくなったが、目印テープが付いていたので、それを追いながら登った。山頂が近づくとまた小径がはっきりしてきたが、シダは多いままだった。その感じのまま山頂に着いた。山頂は狭い範囲で開けており、そこに四等三角点(点名・観音寺)が置かれていた。西の方向に展望はあったが、以前と比べると木々が育ったようで、あまり良いとは言えなかった。小休止の後、往路を引き返した。そして露岩の展望地で改めて休憩とした。そこは本当に展望が良く、東から南、西と広く眺められた。遠くは瀬戸の島々も見えていた。展望をひとしきり楽しむと、後は歩き易い道なので、すたすたと言った感じで戻って行った。紅葉はあまり楽しめなかったものの、改めて露岩地の展望の良さに感心した大谷山だった。
(2013/12記)(2021/3改訂)(2023/11写真改訂) |