2016年12月の第二土曜日は播州北東部にある三つの愛宕山を登ろうと出かけたが、三番目に訪れたのが加東市の旧東条町エリアにある愛宕山だった。県道17号線を東から走って来ると、東面側を採石で削られた山が見えてきた。それが愛宕山だと位置からして一目で分かった。駐車地点を求めて朝光寺口交差点で右折すると、東面側の道路を北へと向かった。そのとき麓から赤い鳥居が山の方向に並んでいるのが見えた。どうやらそれが山頂に通じる登山道ではと思えた。車道は上り坂で続き、それが平坦になったとき大池が現れた。愛宕山山頂から見ると真東の位置だった。大池の南端に数台分の駐車スペースを見たので、そこに駐車とした。地図を見ると愛宕山の山頂まで描かれた破線路は、南側からの赤い鳥居のコースと大池からのコースの二つがあったので、周回で歩くことにした。大池からのコースは分からなかったので、そちらは下山のコースとして、往路は鳥居のコースを歩くことにした。車で登って来た坂を下って行き、板金工場のそばから始まるコースに入った。幾つも並んだ赤い鳥居の下を階段道が続いており、そこを登りきると祠の前に出た。その先はごく普通の山道が祠の左手から始まっていた。細々とした道ながらはっきりとしており、少し歩くと溜め池のそばに出た。山頂への道はその手前からで、尾根を辿るようになった。昼を回って少し雲が増えてきていたが、この頃には減っており再び快晴の空だった。登るうちに採石場の縁を歩くようになった。登山道は縁からは数メートル離れていたが、ヤブをかき分けて縁に近づくと、その先はすっぱりと断崖になっていた。足下は採石場の風景で、前面は遮るものが無いだけに、素晴らしい展望が広がっていた。南東は六甲の山並みで、東は北摂の山だった。その東の空は薄暗くなっており、そこに虹がうっすらと架かっていた。登山道は採石場から離れるようになり、緩やかな道となって南西側から山頂に近づいた。山頂に着くと祠が建っており、周囲は樹林が広がっていた。展望は全く無かったので、少時の休憩をとると下山に向かった。下山は大池に通じるコースに入ったのだが、ちょっとはっきりしないコースだった。樹林の中の歩き易い所を選ぶように歩くことになったが、目印テープを見たのでコース上は辿っているようだった。次第に下り坂となり、その頃には小径がはっきりとしてきた。それもシダが増えてくると共に再びはっきりしなくなった。どうも歩かれなくなって道が消えてきたものと思われた。シダのヤブコギ状態になってしまったので、左手の雑木帯に入ってそちらを下ることにした。今度は雑木ヤブだったが、シダ帯よりは歩き易くそのまま下って行った。麓が近づくと小さな池が現れ、その先でも溜め池が現れると、その辺りはすっかり草ヤブになっていた。そこを突き抜けると県道はごく近い距離だった。畑地を通って車道に出ると、そこは大池の北辺だった。どうやらこの愛宕山は、南側からの鳥居コースをピストンで登るのが正しいようだったと思いながら、駐車地点に近づいた。 (2016/12記)(2020/5改訂) |