金輪山の登山コースとしては南麓の片山地区から車道を歩くコースと北の「椰獅子の丘」から始まる遊歩道コースがあって、どちらも気楽なハイキングとして山頂に立てるが、他にも西麓の島田地区からのコースがある。その島田コースは新しい登山道で、2009年に作られているのを見たのだが、その麓との距離を見て、一番早く山頂に立てるのではと思ったものだった。その安易に登れそうに思えたことで、つい後回しになっていたが、漸く向かったのは2012年12月のことだった。この日は午前は雲が多かったものの、午後に入って快晴となった。そこで午後の軽いハイキングとして金輪山に近い鶴嘴山のミニハイキングを楽しむことにしたのだが、鶴嘴山のみではごく短時間で終わることになってしまった。尾根をそのまま大源寺山まで歩いても良かったが、それよりも別の山で展望を楽しみたくなった。但し冬至が目前とあって、日が暮れるまで2時間ほどしかなかった。そこで思いついたのが金輪山を島田コースで登ることだった。その思いつきをすぐに実行とした。鶴嘴山は右回りで歩いていたので、タイコ岩の手前にある林間広場に通じる登山道で下山すると、すぐに金輪山に向かった。その島田コースだが、登山口はすぐに分かると思っていたのだが、西麓は住宅地と工場、畑が入り組んでおり、すんなりとは山裾に近づけなかった。何とか龍野コルク工業の広い敷地の裏手に回り込んで、山裾に近づけることになった。その山裾には車が止められそうには思えなかったので、工場の駐車場が休日とあって車が1台も止まっていないことにかこつけて、その一隅に車を止めた。そして山裾に向かう車1台分の幅しかない農道を歩き出した。その先が見込み通り登山口だった。その登山口に近づいて分かったことは、そのそばに数台分の駐車スペースがあったことで、どうもそこまで車を進めても良かったようだった。もう登山口からは山頂へとただ登山道を歩くのみなので、その登山の様子は下に写真帳でご覧いただきたいが、登山口から山頂までは800mとあって、予想通りごく軽い登山だった。夕暮れの迫る中での登山だったが、山の西面を登るとあって、陽射しを受けての登りで、足下が暗いと言うことはなかった。良かったのは千畳敷の広場から龍野市街の夕景が眺められたことで、揖保川が夕陽を受けて金色に光っていた。また御津山脈が薄墨色になってくっきりと眺められた。山頂に立てば暗くならないうちに早々と下山しようと考えていたのだが、その風景に魅せられて30分ばかり過ごしてしまった。
(2013/1記)(2020/7改訂) |