この日の観音山は急な思い付きだった。前夜は浜坂の宿に泊まっており、その宿の部屋から良く見えていたのが観音山だった。その姿を見て登ってみたい気持ちが起きたが、この8日は別の山を予定していた。ところが朝の天気予報では、昼頃には曇り空に変わる予想となっていた。それを知って短時間で登れる山に切り替えることにした。そうなるともう気持ちは観音山に向かっていた。急きょの変更のため地図は持っていなかったが、今回で三度目の登山となることでもあり、登山道に関して不安は全く無かった。登山口も相應峰寺を目指すだけなので簡単だった。その相應峰寺に着くと、前回と違って寺の駐車場に止まっている車は無かった。おかげでスムーズなスタートとなった。もう山頂まで参道歩きだった。点々と石仏が置かれた登山道は、いかにも古からの道と言った趣があったが、石がごろごろして多少歩き難さがあった。それもゆっくり登るので問題無かった。丁目の標識があり、9丁目まで登ると仁王門が現れて、山頂そばに建つ圓通殿本堂のエリアに入った。そこまで適度な傾斜の上り坂だったが、ごく緩やかな参道となって圓通殿本堂に近づいた。北の方向が眺められる展望地が現れていっとき足を止めたが、その先で幟に囲まれた道を歩いて本堂の前に出た。前回は改築工事中のため本堂は足場に囲まれていたが、この日はすっきりと本堂を眺めることが出来た。改築からはや十数年経っており、十分に落ち着きも感じられた。その本堂の横を通り、庫裏のそばを抜けると山頂への小径に入った。ほんの一登りの感じで山頂に到着した。麓の駐車場から38分だった。その山頂が前回よりもすっきりしている印象を受けた。佇まいとしては山頂中央に新たに山名標柱が立ったぐらいであまり変わりは無かったが、どうやら周囲の木々が少し伐られたようで展望が良くなっていた。日本海が広く眺められただけでなく、浜坂の町もすっきりと眺められた。この日の視界は良く、西の方向には大山の姿がうっすらとながら眺められた。山頂の気温は高めだったが、涼しい風とからっとした空気感のおかげで、良い感じで過ごせた。そのため山頂では一時間近く休むことになった。下山は往路をすんなり戻ると、昼前にはハイキング終了となった。上空は薄曇りに変わろうとしていた。
(2024/7記) |