淡路島中部の地形図「郡家」を見ると、一帯はほぼ丘の地形で、200mを越して山名の付いているのは竜宝寺山と城越山だけだった。竜宝寺山は以前に登っていたので、もう一つの城越山を訪れようと出かけたのは2019年12月の中旬、快晴の日だった。
神戸淡路鳴門自動車道を津名一宮ICで下りると、すぐそばの竹谷交差点より県道66号線に入って南進した。更に県道468号線に入って城越山の南麓に向かうと、恵日寺のそばに来たとき大きな案内板を見た。それは木曽乃原行者堂のもので、行者堂は城越山の中腹に建っているようで、恵日寺のそばから参道が始まっていた。またその案内板を見ると、城越山は城の越山と表されていた。また別名として城腰山の名を見た。案内図に従って間近で分かれた車道に入ると、行者堂の標識を見た。恵日寺に近づき、その塀を巡るように歩くと、恵日寺の西側に出た。そこには六地蔵があり、その前に数台分の駐車スペースがあった。そこが行者堂の駐車場のようだった。車を止めるとコンクリート舗装の参道を歩き出した。途中潜岩の前を通り、中腹まで登ると行者堂の本堂の前に出た。その古びたお堂の右手からまだ参道は続いており、石段を登ると幾つかの石像が並ぶ所に出た。そこが奥の院だったが建物は無く、一番大きな石像は蔵王大権現だった。行者堂のエリアはそこまでのようで、城越山へはマイナーな山道を歩くことになった。尾根筋を辿るように歩くと、大権現像から13分で山頂到着となった。スタート時からずっと樹林に囲まれての登りだったが、山頂もすっかり常緑樹林に囲まれており、展望の欠片も無かった。三角点の無い山頂で山頂らしさを示しているのは、山頂の大きな木の根本に置かれた二つの小さな五輪塔だった。城越山からは西隣の253mピークに向かうことにした。どうやら登山道は無さそうなので、ヤブコギ覚悟で歩き出した。西斜面に入ると前方に253mピークを見るようになり、そのピークに向かって西斜面を下った。木々の空いた所を選びながら無難に下っていると、途中より尾根筋を辿るようになった。小径もあったので安心してその尾根を辿ったが、それは間違いだったようでシダヤブに突っ込むことになった。そのヤブをかき分けて鞍部に出ると、小さな溜め池に出会った。その溜め池の縁を回り込むと、すぐに小径に合流した。その小径は地図では実線で描かれている道と思えたが、その小径で253mピークの東斜面に近づいた。そして緩やかな位置で斜面に取り付いた。その東斜面は小径こそ無かったが、木々は疎らにあるだけでけっこう適当に登って行けた。そして253mピークに到着となった。そこは城越山と同様に展望の無い山頂だったが、三等三角点(点名・大町)を見た。展望も無いのですぐに山頂を離れることにした。253mピークには西側から登山道が来ており、それを歩いて中腹まで下りて来ると、出会ったのは烏隈神社だった。時計を見ると12時前だったので、本殿の板場に腰掛けて昼休憩とした。境内は北風を受けることは無く、陽射しをたっぷり受けて休むには良い所だった。僅かながら展望もあり、西の方向に見えていたのは竜宝寺山だった。その烏隈神社には車道が通じていたので、休憩を終えると車道を歩いて西麓へと下った。山裾が近づくと、溜め池のそばに出た。そこは少し高台になっており展望が広がっていた。山中で展望を楽しめなかった分を、そこで楽しむことにした。南西から北西にかけて広く眺められ、正面に見えていたのは竜宝寺山だった。北の方向は木々の隙間から瀬戸の海も眺められた。その溜め池からは山裾道を歩いて恵日寺へと戻って行った。県道468号線に合流すると、その県道から南に向かっての展望が得られるようになり、遠くは先山も眺められたのは良かった。ただ溜め池から駐車地点まではけっこう距離があり、40分ほど歩くことになった。 |