桶居山への最短コースは西肩に通じる南尾根コースとなるが、その南尾根コースに向かったのは2016年10月の第二土曜日のことだった。この日の空は朝から薄黒い雲が広がっており、天気予報では午後より雨が降り出すとなっていた。そこで短時間でしっかり登れる山として桶居山の、それも最短コースとなる南尾根コースを登ることにした。
別所町の佐土新に入り桶居山の南麓を目指すと、山裾道に通じる枝道は入口から進入禁止となっていた。但し車止めはされておらず、まだ民家も建っていた。その細い道をずんずん進むと農地が現れ、その先でようやく車止めのロープが張られていた。進入禁止の標識は以前は無かったので、細い山裾道でのすれ違いや方向転換のトラブルを防ぐための処置ではと思われた。ロープの手前にごく狭い駐車スペースを見たので、そこに遠慮しながら車を止めた。ハイキングを何とか短時間で済ませる予定だった。ロープを越えて歩き出すと、数メートルの距離で最短コースの登山口が現れた。そこに標識は無かったが、露岩に「桶居山近道」と書かれていた。登り出すと少し傾斜がきつい程度でヤブになることも無く、けっこうスムーズな登りだった。登るほどに露岩地が現れて、後方に展望が広がってきた。この日の気温は秋にしては高かったが、空気は秋のもので乾いた空気感だった。おかげで休むことも無く登って行けた。そして桶居山の西の肩で主尾根に合流した。そこからは知った道で、目の前には桶居山の山頂が見上げるようにして眺められた。その山頂へと休まず急坂を登った。肩の位置に着いてから10分とかからず山頂だった。山頂には誰もおらず、一人で休むことになった。空は黒かったが、雨に降られず山頂に立てたようだった。山頂では昼食をとり、そして展望を楽しんだ。10分少々の休憩の後、下山に移った。下山は何度か下ったことのある東肩の位置から始まる東南尾根コースを下った。山頂での休憩時間を除くと1時間足らずと、予定通り短時間でハイキングは終了となった。
(2016/10記)(2020/4改訂) |