何度か登っている桶居山だったが、北側からはまだ登っていなかった。地図を見ると夕陽ヶ丘から破線路が描かれていたので、そのコースで登ることにした。向かったのは2022年10月下旬の土曜日のこと。雲の多い空だった。夕陽ヶ丘に着いてみると、山裾に近い区画は古い集合住宅が多く建っており、ほぼ無住のようだった。廃墟となっている建物もあった。山裾に適当な駐車場所が無かったので、廃墟となっている集合住宅の前に止めることにした。近くにいた住人に確かめると、大丈夫だろうとの返事をもらった。序でに登山口について聞いてみると、西に向かって真っ直ぐ進んだ突き当たりだと教えていただいた。その突き当たりに着いてみると、はっきりとした登山道を見た。鉄塔の方向を示す赤い標識があり、その佇まいから巡視路のようだった。登り出してみると巡視路は少し前に草が刈られたようで、ヤブの様相は全くなくスムーズに登って行けた。そして予想通り送電塔(姫路南支線4番)の前に出た。その先もはっきりとした道が続いていた。その途中に大きな岩があり、その上に立つと好展望が得られた。山頂が眺められただけでなく、北東から北へと広々とした展望が得られた。その大岩の先からは露岩の上を歩くことが多くなった。傾斜もきつくなってきて慎重さを必要とした。その急傾斜は主尾根に着くまで続いた。主尾根に着くとそこは200mピークであり、そのピークで尾根道に合流となった。標識があり、登ってきた方向には「夕陽ヶ丘」と、西に向かう尾根には「深志野・御着駅」と書かれていた。その合流点からは二度目の道だった。山頂へと東に向かって始めは下り坂だったが、山頂までがすっきりと眺められた。山頂までは岩尾根が主体になっており、その様子からして播磨アルプスの名は高御位山や鷹ノ巣山よりもこちらの方が相応しいのではと思えた。岩尾根は靴底のかかりが良く滑ることは無かった。おかげで岩に手をかけて登ることは多くあっても、危険な感じは少なかった。下る途中に送電塔(姫路南支線3番)が建っており、鞍部まで30mほど下った。そして山頂へと同じく30mほど登り返すことになった。ほぼ展望の尾根歩きでもあった。山頂が間近になると見る角度によってはキノコの形にも見える奇岩が現れ、そこを越して山頂に立った。陽射しを受けてすっかり明るい山頂だった。この桶居山の山頂も展望は素晴らしいのだが、陽射しを遮ってくれる木が少ないことが難点で、その少ない木の陰で休憩とした。そして好展望を楽しんだ。北への展望こそ無かったが、南だけでなく東にも西にも広く眺められた。上空の雲は多く、陽射しを受けているときはけっこう暑かったが、陽射しが消えるとすっと涼しくなった。山頂で休んでいたのは40分ほど。この日は北からのコースで山頂に立つのが目的だったので、下山はすんなりと往路を戻ることにした。再び岩尾根歩きを楽しむことになったが、往路で足はけっこうくたびれており、少々足を重く感じながら歩くことになった。尾根を離れる位置まで来ると、そこからは急坂となるため慎重に下ることになったが、特に危なく感じることもなく下って行けた。登山口に戻ってきたのは山頂を離れてから40分だったので、この夕陽ヶ丘コースは手頃感があると言えそうだった。展望の尾根歩きもあって、桶居山登山としてはお薦めコースではと思えた。
(2022/11記) |