県道44号線を走って三濃山トンネルへの坂道に近づくと、右手前方に鋭い姿の山が現れるが、それが権現山で標高こそ低いものの登高意欲をそそられる山である。その権現山をほぼ11年ぶりに登ろうと向かったのは2019年12月中旬の快晴の日だった。権現山の西麓にあるのいが磐座神社で、その境内に車を止めた。そこからは以前に磐座神社から登ったときと同様に、神社の背後から斜面に取り付いた。但し山裾は猪垣が張り巡らされており、その一カ所の僅かな隙間から通り抜けた。そこからの登山の様子は下の写真帳をご覧いただきたい。登山道の無い斜面を適当に登るとあって、足下に注意しながら慎重に登った。始めはヤブっぽさがあったが、登るうちに木々は疎らになり目印テープも見るようになった。20分ほどかかって尾根に出ると、そこに見覚えのある大岩を見た。その大岩に寄り添うように小さな祠を二つ見た。また近くには鳥居があり、そちらの尾根が正規コースではと思った。その鳥居とは反対方向の北の方向へと尾根を歩いた。少しヤブっぽい尾根で、次第に傾斜が増すと共に岩を多く見るようになった。そして権現山へと登り詰めた。権現山の山頂も岩があり、展望は悪くなかった。西には感状山が向かい合っており、南の方向も広く開けていた。権現山に立てば尾根の最高点である高巖山には立ちたくなるもの。その高巖山は北に見えており、そちらへと向かったが、尾根はシダが一段と増えたようでヤブ尾根になっていた。尾根道もはっきりしない所があり、尾根筋を外さないことを心がけて歩くと、権現山から20分少々で高巖山の山頂に着いた。高巖山の山頂も岩場になっており、そこより少し手前に四等三角点(点名・東山)を見た。その高巖山のピークから少し南に下ると好展望地があり、すっきりと権現山が眺められた。高巖山まで来れば岩峰の高巖は近かった。その高巖を良く見ようと山頂を離れて北に向かうとすぐに開けた所に出た。一帯は岩場になっており、そこがこの日一番の好展望地だった。高巖が眼前に眺められただけでなく、その背後には三濃山もすっきりと見えていた。高巖に立つ気は無かったので、展望に満足すると尾根を引き返した。シダの茂るヤブ尾根を再び歩くのだが、なぜか登ってきたときよりも道筋が分かり難く、一度外れそうになることがあった。権現山を過ぎて鳥居のある大岩まで戻ると、そこからは磐座神社側へは下らず、鳥居を通って尾根なりに南へと下った。はっきりとしていなかったが尾根道があり、それを辿って行く。そのまま順調に麓に着けるものと思っていたのだが、麓が近づくと道はほぼ消えてしまった。後は適当に下って猪垣を乗り越えた。山裾道に出ると、そこから磐座神社までは数分の距離だった。
(2020/1記) |