王神峯なら登山道もあるので、猛暑と言えども比較的楽に登れるのではと思えて向かったのは、2016年8月のお盆休暇の一日だった。猛暑が続いており、この日の日中は35℃の予想だった。県道206号線で一乗寺に近づいて、その手前の加古川市と加西市の市境にあった駐車スペースに車を止めた。近くには法華山一乗寺の石柱があり、六万体橋があった。その橋を渡ると右手に小径が見えて、その小径に入るとすぐに大日如来が祀られている祠の前に出た。その祠のそばから細々と小径が始まっていた。その小径を辿れば、多少ヤブっぽい程度で登って行けるはずだったのだが、前回登山から10年が経っており、その間に登る人は少なかったようで、コースはほぼヤブに戻っていた。登山道こそ細々とながら続いていたものの、その上にシダや灌木が茂り、ときにイバラが混じっていた。しかも夏とあって蜘蛛の巣が絶えず行く手を遮っていた。それを払い除けながら進むのだが、炎天下とあって次第にへばってきた。無理は禁物と休み休み登ったため、山頂に着いたときは大日如来の位置から50分かかっていた。もう全身汗まみれだった。山頂には拝殿と小さな祠があり、拝殿に入るとすぐに横になって体を休めた。山頂はほのかながら風があり、それを受けていると少しずつ体力が回復してきた。少し気力が戻ったところで昼食とした。そして昼食を済ませると、山頂からの展望を楽しんだ。王神峯は相変わらず北の展望が良く、善防山や笠松山が眺められた。下山はすんなりと往路を戻った。登るときに蜘蛛の巣を払っていたので、下山はまずまず楽だった。休まず下ったこともあり、30分ほどで大日如来のそばに下りてきた。
(2016/8記)(2020/5改訂) |