前回で夏の大神峯は懲りたはずだったが、10年近く経つとその苦労を忘れたようで、また登りたくなったのは2025年7月の暑い日が続く中だった。向かったのは11日の真夏日で、朝から30℃を越す快晴の日だった。駐車地点は前回と同じく南東尾根コースの登山口に近い溜め池の駐車スペースに求めた。そこから登山口まで県道206号線を歩いて5分だった。大日入来の前を通って登山道に入ったところ、多少ヤブっぽくなっていることが分かったが、気にせず登って行った。尾根筋に出れば少しは歩き易くなるのではと期待したのだが、そのようなことは無く、尾根筋に出てもヤブっぽい道は続いた。登るうちにシダが現れると、すっかりシダヤブになっている所も現れた。そのシダの中の踏み分け道を探りながら登った。季節がら蜘蛛の巣を払いながらでもあった。陽射しを受けることも多くあり、気温は35℃ほどありそうだった。徐々にバテ気味になってきたので、熱中症を避けるため何度か休憩をとりながら登った。登るうちに多少は歩き易くなることもあったが、すっきりと歩ける所は僅かだった。中腹を過ぎると右手に展望が現れて法華山を見た。その手前に溜め池も見えていたが、以前の展望に比べると悪くなっていた。左手前方に電波塔が見えてきて、漸く山頂が近くなったと思えた。最後はごく緩やかな道となって、東側から山頂に近づいた。小さな社が建つ山頂に着いたときは、大日如来の位置から70分が経っていた。社の手前は拝殿で、そこに入ると板の前の上で暫く横になっていた。すっかりマグロ状態だった。ごく僅かに吹く風に涼しさが感じられて、その風を楽しんだ。暫く横になっているうちに少しは体力は回復して、漸く山頂展望を楽しむ気持ちが起きてきた。社のそばの岩場が最高点で、その上に立つと北に向かって広々と展望が得られた。遠くには笠形山が見えており、近くは笠松山の尾根だった、その展望も以前に比べると狭まっており、善坊山は見えなくなっていた。山頂で休んでいたのは50分ほど。下山は往路を戻るのみ。目印テープのほとんど見られないコースだったので、尾根筋を外さないように慎重に下った。特にシダ帯ではしっかり踏み跡を見極めながら下った。ときおりはGPSで現在地を確認した。おかげで登山コースを外すこともなく下って、無事大日如来のそばに戻ってきた。すっかり大汗になってだった。やはり夏のヤブ山は避けるべきだったと反省したのはもちろんだった。
(2025/8記) |