古法華自然公園は麓の散策やキャンプだけで無くその周囲は低山が囲んでおり、尾根へのコースが幾つかあるためそれを組み合わせて変化ある尾根歩きを楽しめる所として人気のハイキングエリアになっている。2020年3月の最終日曜日は、その尾根の代表格と言える善防山と笠松山の二山を楽しもうと出かけた。西入口から園内に入ると車を最奥まで薦めて、古法華寺に近い所にある駐車場に車を止めた。天気予報では晴れとなっていたが、実際の空は青空こそ見えるものの空の七割ほどを雲が占めており陽射しは少なかった。始めにメイン道路を西へと歩いて行く。あちらこちらで白いモクレンが満開だった。「山頂東屋360m」の標識が現れると、それに従って小径に入った。笠松山から見ると西隣となる200mピークへと通じる小径で、登るほどに周囲をコバノミツバツツジの花が彩りだした。背後には善防山を、右手前方には笠松山を見るようになった。登山道の入口から13分で200mピークに建つ東屋に到着した。その東屋の周囲は木々が大きいため、展望としては今一つと言えそうだった。そこからは東に見えている笠松山へと向かった。30mほど下って80mほど登り返す。けっこう急坂で汗をかきながらとなった。笠松山に着くと山頂展望台に上がった。雲の多い空ながら視界はまずまず良く、360度の展望を楽しめた。但し冷たい北風を受けながらだったので、のんびりとした気分でとはいかなかった。その笠松山からは道なりに南東方向へと下って行く。こちらの道もコバノミツバツツジが花盛りだった。行く手には善防山が見えていた。露岩の多いコースで、露岩歩きを楽しみながら下った。麓が近づくと古法華寺が現れ、その隣の建物は石彫アトリエ館だった。あちらこちらに石仏を見た。そこまで来れば駐車場は目の前だった。ほぼ曇り空になっていたこともあって、昼食は車に戻って車の中で済ませた。昼食後一休みを終えると、メイン車道を南東へと歩いた。少し下ると右手に善防山の登山口が現れたので、登山コースに入った。ごく普通の山道を登って行くと、程なく左手より吊り橋コースが合流した。その登山道は駐車場のそばから始まっており、下山時に歩く予定だった。登るうちに露岩地も現れたが、また普通の山道となり、尾根に近づいて傾斜がきつくなってきた。尾根に着くと右手に周回コースが分かれた。そちらには入らず左手の善防山山頂へと向かった。緩やかに登って行くと大岩が現れた。そこは展望地であり岩のそばからは笠松山がすっきりと眺められた。もうそこまで来れば山頂は目前だった。山頂は以前のまま樹林が茂っていると思いきや、着いてみると様変わりしていた。そこは善防師城跡として見事に整備されていた。その城跡の木々はすっかり伐られており、芝生広場に変わっていた。おかげで笠松山に劣らない素晴らしい展望地になっていた。あいにく暗い空になっていたが、西から北、東へと180度の展望が楽しめた。遠くは千ヶ峰も望めた。また大きなヤマザクラが近くに数本あり、それが満開の見頃を迎えていた。他にもこの日で一番鮮やかなコバノミツバツツジを見た。この善防山でも笠松山と同様に冷たい風を受けたので、肌寒さを感じながら過ごした。善防山を西側から登ってきた訳だが、地図を見ると他にも二本の破線路が東側に描かれていた。その道がどのような道なのかを確かめたく、その東へと続く小径に入ってみた。小径は西の道と同様にはっきりとした道で、150mほど歩くと南東に向かう東櫓コースと東に向かう下山口コースに分かれた。道標もしっかりあるのを確かめると山頂に戻った。そして駐車場へと下山に移った。その下山では予定通り吊り橋コースを通って駐車場に戻ってきた。明るい空の下で楽しめなかったのは残念だったが、この古法華自然公園は軽ハイキングを楽しむには格好のエリアであることを再認識することになった。
(2020/4記) |