2024年の猛暑の日に登ってバテてしまった石倉のトンガリ山を、今度は厳寒の日に登ることにした。向かったのは半年後の2月4日のこと。快晴ながら冷たい風が強く吹く日だった。この日は周回で歩く考えだったため、駐車地点は開山堂の広場とした。まずは走ってきた車道を戻る方向に歩いて、宮ノ谷コースの登山口を目指した。緩い下り坂を歩いて行くと、登山口まで17分だった。登山道に入って気付いたのは新しい目印テープが付けられていたことで、少し多いのではと思えるほどピンク色のテープを点々と見た。急坂の登りが続くが、冷え込みが厳しいとあって汗をかかずに登って行く。冷気が快く良い感じで登って尾根に着いた。尾根に出て風の強さが増してきた。強風の中の尾根歩きだった。前方に見えるピークは中間ピークで、そこを越すとトンガリ山が現れた。澄んだ空の下でくっきと眺められた。この日は周回コースとしていたため、亀岩に立ってから山頂を目指すことにした。その亀岩に着いて窪みの「枯れない水」を見ると、冬は蒸発が少ないためか、窪みいっぱいに水が溜まっていた。いよいよ山頂直下の急坂登りだった。そこを休まず登って行くと、漸く軽く汗をかく感じになった。トンガリ山の山頂に着くと、台風かと思えるほどの強い風を受けた。しかも身を切られそうなほどの冷たい風だった。気温は5℃だったが、体感温度は氷点下だった。その冷たい中で少時展望を楽しむと、逃げるようにして山頂を離れた。北へと尾根道を歩いて行く。山頂を越しても目印のピンクテープは続いていた。山頂の先は一気に易しい尾根歩きで、三角点ピークを越し更に次の250mピークを越した。次のピークも250mピークだったが、そこは冷たい風を受けなかったため、そこで昼休憩とした。休憩を済ませて更に北へと歩くと、次のピークが大黒岩の分岐点だった。久々に大黒岩を見ようと、大黒岩に通じる尾根に入った。大黒岩に着いて見上げると、いつも思うことだが登れそうで登れない岩だった。そこを以前は無理やり危ない思いをして登っていたが、そのルートの岩に手をかけると、掴んだ所がぽろっと取れた。どうやら岩が脆くなってきているようだった。分岐点に戻って尾根歩きを続ける。緩やかに下って行くと、峰相山への方向にロープが張られていた。そしてピンクテープが続く方向は開山堂に至る南の方向だった。どうやら周回コースに新しいピンクテープが付けられているようだった。こちらが予定していたコースとピンクテープのコースは一致するため、そのピンクテープが続く道に入った。草ヤブになることもある斜面は、冬場のためかすっかり草ヤブは消えていた。そこを通り過ぎると害獣避けゲートが現れた。そこを過ぎるともう目印テープは無く、道は二手に分かれた。そこは左手の階段に入った。山の神の前を通ると、程なく開山堂の広場に出た。そこが駐車地点だった。予定通り周回でトンガリ山を歩けたことに満足して帰路についた。
(2025/3記) |