赤穂市の八重山を紹介した本に「花と緑の散歩道」と「赤穂の山とひと」があるが、それぞれ別の山を八重山としている。「花と緑の散歩道」では尼子山の東隣の229mピークを八重山としており、「赤穂の山とひと」では高取峠のそばの192mピークを八重山としている。どちらが正しいかは分からないが、遠くから見ると、どう見ても229mピークの方が堂々とした姿なので、こちらとしては229mピークの方を八重山と見て登ることにした。但し八重山を単独として登るとなると、高取峠からごく短時間で登ってしまえそうなので、それはしたく無かった。そこで適度なハイキングとなるよう、尼子山とセットで登ることにした。それは2012年1月の最初の土曜日のことだった。
この日は天気予報では晴れ間の少ない空となっていたのだが、意外と雲は少なく、澄んだ青空が広がっていた。車は千種川の河川敷にある緑地公園の駐車場に止めて、まずは下高野集落の尼子神社に向かった。この日考えていたルートは、尼子神社から登山コースで尼子山に登り、そこから尾根伝いで八重山に向かうと言うもので、八重山から先に道があればそれを辿り、無ければ引き返そうと考えた。また尼子山と八重山の間は、軽いヤブコギ程度で歩けるのではと予想した。ところが尼子山までは登山道を軽快に登れたのだが、尼子山から先が予想よりもきついヤブだった。尼子山から先も登山道はあったものの、それは涌泉の位置までで、その先は灌木と笹のヤブになっていた。歩き出すとイバラも混じっており、よく引っかかった。方向が掴み難く、コンパスを頼りに進んで行くことになった。200mピークとの鞍部に着いて少しは灌木がばらけて歩き易くなったものの、ヤブコギであることには変わりなかった。ただ登るうちに踏み分け道程度に小径を辿れるようにはなった。200mピークから八重山へは送電線が走っているので、小径を歩くうちにその巡視路に出会えるのではと予想して歩いたのだが、小径のままに進むと、一度は八重山から離れる方向に歩いてしまった。すぐに間違いに気付いて引き返し、慎重に八重山方向の小径を辿ると、漸く巡視路と出会えることになった。巡視路歩きは順調で、その歩き易さにもう尼子山に引き返す気持ちは起きなかった。巡視路は200mピークと八重山との鞍部へ緩く下り、そして緩く登り返して八重山の山上に出た。八重山は東西に平らになっているため、巡視路は山上ではほぼ平坦路となった。はっきりとした山頂は無く、一番高いと思われる辺りを過ぎると鉄塔が現れて、そこで休憩とした。そこからは下山に移るのだが、尾根なりに続く巡視路を辿って行くことにした。緩やかな下りを続けると、高取峠に近い採石場のそばに下り着くことになった。車道に出たが、その車道は高取峠で国道250号線に合流するようだった。国道沿いを歩くのはどう見ても楽しくない上に大回りとなるので、南の斜面を下って谷に下りることにした。そして谷筋を歩いて下高野集落に向かうことにした。その谷沿いのルートだが、これがけっこうヤブになっており、結局30分ばかりヤブコギをすることになった。どうもこの日は行程の半分はヤブコギをしたと思えてしまったが、それも寒い中で良い汗をかけたと思うことにした。午前は快晴だった空も午後は雲が増えており、景色は寒々とした感じになっていた。その中を駐車地点へと戻って行った。この日のハイキングの様子は、下の写真帳でご覧下さい。
(2012/1記)(2018/3改訂)(2020/11改訂2) |