姫路市内の山を電車利用で登ろうと考えたとき、JR播但線沿線の山として候補に挙がるのが増位山だった。2025年4月の第三週は、週末に車を使えなくなった。そこで電車利用でハイキングを楽しもうと考え、縦走出来る山として増位山に向かうことにした。
この日は快晴。姫路駅9時33分発の電車は、二両編成ながら乗客は疎らだった。降り立った駅は砥堀駅。北側から縦走しようと、まずは県道518号線沿いの歩道を北へと歩いた。大歳神社の前を通り過ぎるとソーメン滝の標識が現れた。それに従うと小さな川に沿って西へと向かうようになった。東南寺の前を通ると、右手に不動明王の像を見た。ソーメン滝まで来ると、川には「いわたき橋」が架かっていた。その橋のそばから増位山に通じるソーメン滝コースが始まっていた。但し標識は随願寺を示しており、随願寺まで1.9kmだった。登山道は緩やかで、易しい道と言えそうだった。小さな沢に沿っての登りで、その沢に架かる小橋は幾つかあったが、どの橋も新しくなっていた。季節柄か樹林の中は涼しく、汗をかくこともなく良い感じで登れた。登山口から30分ほどで登山道は二手に分かれた。西に向かえば随願寺で、直進は増位山だった。その分岐点の先も道は緩やかで、山頂が目前となって山頂に出る道と巻き道とに分かれた。山頂へと向かうと、僅かな距離で山頂に到着した。陽射しをいっぱい受ける山頂だったが、ベンチの位置は少し木陰になっており、良い感じで休めた。残念だったのはこの日の視界だった。天気予報では黄砂があるとなっており、その通りに視界は紗がかかったようなうっすらさだった。遠くは判然とせず、近くの畑山でも輪郭を見せるだけだった。その山頂で早めの昼食をとると、下山は尾根歩きを続ける形で南へと向かった。ほぼ緩やかな下り坂だった。途中には反射板が建っており、そこからは南西方向に姫路競馬場を見た。小さなピークも途中にあり、緩やかに越えた。そのまま下れば野里駅に近づけるのだが、地図では途中から保城の大歳神社に出る破線路が描かれていた。そのコースで下山しようとGPSを見ながら慎重に歩を進めると、見過ごすこともなく南東に向かえる小径に入ることが出来た。道は細くマイナーな雰囲気があったが、ヤブ道では無かった。その小径が途中から急坂続きとなった。足下は落ち葉が多くあり、滑る恐れがあってけっこう慎重さを要した。その小径を下りきると大歳神社の広場に出てきた。その先に石段があり、それを下って車道に出ると、その車道を横切って播但線の高架のそばに出た。高架に沿っても細い車道があり、それを歩いて野里駅へと向かった。15分ほど歩いて野里駅に到着すると、姫路駅行きの電車までは5分ほど待つだけだった。
(2025/5記) |