冬に入ると北の空は曇りがちになり、どうも兵庫北部には足が向かなくなる。2013年12月に入って最初の土曜日は7日だった。もう空はその傾向が出てきたのか、天気予報では北部は小雨か曇りとあり、播州は晴れときどき曇りだった。そこで西脇市辺りならまだ晴れの圏内だろうと考えて、西脇市の低山を楽しむことにした。西脇市域には手頃な低山がけっこうあり、その一つの寺山にはハイキングコースが整備されているようなので、気楽なハイキングが出来そうだった。空は思っていた以上に良く晴れており、雲はほとんど見られなかった。車は寺山の東麓に広がる西脇公園の駐車場に駐車とした。寺山を通る尾根道を南に辿れば北山に出るのだが、その北山へ南麓側から登って行くことにした。そこで公園駐車場からは、まずは車道歩きで北山の南麓を目指した。住宅地を抜けて県道427号線に出ると、西脇では幹線道路のようで、けっこう通行量が多かった。その県道沿いの歩道を西へ歩いて行くと、童子山交差点に出た。登山口に関する案内板は出ていなかったが、実相寺の案内板があり、それに従って北への道に折れた。山裾からは石段を登ることになり、一帯は墓地の風景になった。尾根に出るのはどうやら墓地の縁を辿るようだった。その縁には石仏が並んでいた。それを横目に尾根に出ると、露岩の目立つ尾根道が始まった。暖かい陽射しを受けながら登っていると、すぐに汗をかきだしたので、途中からはTシャツだけの姿で登って行った。登るほどに後方に西脇市街が広がってきた。尾根はすぐに緩やかになり、北方向へと歩くと、右手前方に北山のピークが眺められるようになった。その北山へは実相寺への石段に入ってから30分弱で到着した。そこは東隣りの尾根コースとの合流点でもあり、二つが合わさって尾根道は北へと続いていた。その北山の展望は良いとは言えず、樹間を通して西脇市街が眺められるだけだった。すぐに北へと尾根歩きの続きを始めた。ピークに立っていたので始めは下り坂で、そこは足下の土が意外と滑り易く、落ち葉もあって注意が必要だった。それまでは陽射しを受けて暖かかったのだが、北斜面となってひんやりとした空気に変わった。鞍部を通って登り返すと、再び陽射しを受けるようになった。尾根の木立は常緑樹が多かったが、紅葉の木は落葉が進んでいたものの、まだ見頃と言える姿のものも残っていた。尾根には送電塔が建っており、最初に出会った大野支線4番鉄塔こそ展望は無かったが、次に出会った259mピークの先の3番鉄塔では北側が開けており、これから向かう寺山が正面に眺められた。その背後には篠ヶ峰も遠望出来た。登山道歩きを続けて行くと、次第に落葉樹が増えて紅葉を愛でるようにして歩いた。落ち葉が登山道を隠している佇まいも悪くなかった。その尾根の雰囲気を楽しみながら寺山に近づいた。寺山への登りが始まると、程なく右手からまた別の登山道が合流した。西脇公園からのコースで、下山で歩く予定にしている道だった。合流点の標識を見ると、これから向かう山頂への道には「ながめの路」の名が付いていた。山頂が近づくと傾斜が増して、また足下が滑り易くなった。左手には2番鉄塔が現れて、そこより一登りした所が寺山の山頂だった。東屋があり、中央には西脇市の防災無線中継所が建っていた。陽射しも良く当たっていると思っていると、数秒の後には陽射しが消えてしまった。上空を見ると北からどんどん雲が流れてきており、上空から北には全く青空が見られなかった。どうやら暫く陽射しは現れないようだった。空気は冷え冷えとしたものになり、寒さを感じながら東屋で昼食とした。一休みしたところで、展望を楽しむことにした。途中の標識では寺山の山頂は山頂展望台となっていたのだが、東屋の位置からは南の方向が少し望めるだけだった。そこで北の方向に少し歩いてみることにした。そちらへも遊歩道は続き、丸太の階段を下った先で樹林が切れて開けていた。そこに立ってみると西から北、東へと広く眺められた。そこが展望台と呼ばれている所ではと思えた。北西に千ヶ峰、西に西光寺山と、けっこうすっきりとした眺めには満足だった。但し曇り空だったのが残念だったが。その空をよく見ると、北の雲の一部より青空が覗き出していた。この分ではまた青空が現れるので思えて、少し待ってみることにした。やはり予想通りで、青空が少しずつ広がってきた。そして待つこと30分で、漸く陽射しを受けられるまでになってきた。それもいっときのことだったが、明るい山頂を眺められたことで満足とし、下山することにした。下山は西脇公園に通じる道を下った。こちらの道はずっと階段状の遊歩道になっていた。下るうちに東の方向に西脇公園が現れて、野球場で試合をしているのが眺められた。階段道は最後はふるさと林道(坂本日野線)に合流し、後は林道を歩いて公園駐車場へと近づいた。まずはのんびりと冬日のハイキングを楽しめたが、次回は寺山から更に北へと歩いてもみたいと思って、ハイキングを終了した。
(2014/1記)(2021/3改訂) |