2007年の大晦日は宍粟市の山を目指したのだが、快晴の瀬戸内側と違い内陸部へと向かうにつれ上空の雲が増えてきた。宍粟に入って一宮町まで来ると、上空はすっかり黒い雲に覆われており今にも雪が降ってきそうだった。高い山の稜線には雲がかかっており、これでは楽しめそうに思えなかった。そこで引き返すことにしたのだが、少しはハイキングを楽しもうと瀬戸内側の小山を登ることにした。そこで思い浮かんだのが鶴嘴山だった。觜崎橋のそばから始まる尾根を登って、山頂までをピストンすることにした。歩くには物足りないが、展望の低山ハイクをまずまず楽しめそうだった。觜崎橋まで来ると、橋のそばから河原へと降りられる道に入って、河原の適当な場所に車を止めた。屏風岩が目の前に立っていた。このとき上空は北から黒い雲が流れてきており、曇り空になっていた。また河原は冷たい風があって冷え冷えとしていた。尾根端にある古宮天満神社の石段を登ると、神社のそばから尾根に取り付いた。屏風岩のピークとなる鶴嘴山が間近に見えていた。尾根の墓地を過ぎると害獣避けゲートが現れた。そこを過ぎて漸くハイキングの雰囲気となった。ごく低山の上にただ尾根筋を歩くだけなので、何とも簡単だった。そして播州南部の低山によくある露岩もあって、そこは展望に恵まれていた。いっとき広がっていた黒雲は消えており、陽射しが現れて風の冷たさを和らげていた。それにしても大晦日にハイキングを楽しむ人はいないようで、尾根に人影は全く無く何とも静かだった。鶴嘴山を越えると、大源寺山の山頂が右手にすっきり見えていた。左手は揖保川の流れと新龍アルプスだった。尾根は東へと折れて展望に恵まれたまま小さなピークを越えて行く。そのため何度か展望を楽しもうと足を止めることになった。これではハイキングと言えず、ただ気分のままに歩いているだけだった。そのため大源寺山の山頂に着いたときは、歩き始めてから1時間が経っていた。山頂から北の方向を眺めると、朝よりも天気は幾分良くなっているようで、黒尾山まで姿を現していた。山頂で20分ほどぼんやり過ごすと、後は往路を引き返した。その下山でも展望を楽しもうと何度も足を止めたので、50分ほどかかることになってしまった。
(2008/1記)(2022/1写真改訂) |