鶴嘴山とも呼ばれる大源寺山は東西に長い尾根を延ばしており、西は揖保川が間近に見える位置まで続き、東は貴船山の尾根に合流すると、そこは林田川が間近な位置だった。2014年1月最後の土曜日は、その尾根を歩くことにした。始めに貴船山を再訪したい気持ちが起きたのだが、それだけではもの足りないと思え、そこで大源寺山と合わせて歩こうと考えたものである。周回で歩くことが出来るのも魅力だった。なおこの二つの山を繋ぐ尾根は11年前にも歩いており、そのときは先に貴船山を登っていたので、今回は先に大源寺山を登ることにした。駐車地点については前回と同じく鴨池のそばが良さそうに思えて、まずは鴨池へと向かった。
鴨池の北側に着くと、案内標識の立つ位置に一台分の駐車スペースを見たので、そこに駐車とした。ハイキングを始める前に鴨池の湖畔に立つことにした。風がほとんど無かったため、周囲の風景がきれいに湖面に映っていた。駐車地点を離れると、まずは大源寺山の南尾根に取り付こうと、車道を西へと歩いた。南尾根の端に着くと、そこから荒削りの作業道が始まっていた。それを登って行く。作業道はすぐに終わったので、後は尾根上を適当に登った。始めは道も無くヤブをこぐ感じだったが、登るほどに歩き易くなり、小径を辿れるようになった。展望も現れて、南に広がる神岡町の風景が眺められた。そしてほぼ大源寺山の山頂が目前になったとき、素晴らしい展望地が現れた。そこは露岩地の最上部で、南に向かって視界を遮るものは無かった。そこで少し早いものの昼休憩をすることにした。眼前に展望が広がるのは良かったが、残念なことにこの日の視界はうっすらとしており、全体にモノトーンの色調だった。休憩を済ませると山頂へと向かう。ごく僅かな距離だった。大源寺山の山頂は相変わらず木立に囲まれており、展望は無かった。そこより東へと縦走を開始した。尾根道は落ち葉に覆われており、その踏み心地を味わいながら歩いた。貴船山の手前の鞍部までに幾つかピークを越すことになり、三つ目のピークの標高は230mほどで東西に細長いピークだった。そこまで来ると、貴船山が木立の隙間から眺められるようになった。鞍部に着くとそこは峠になっており、峠道が南北に走っていた。その峠道の北側を見ると、その先は林道になっていた。南に歩けば鴨池の近くに出るので、そちらは下山で歩く予定だった。貴船山に向かうべく、東へと登り返した。そちらにははっきりとした小径は無く、斜面を適当に登ることになった。やや急坂を登って主尾根に出ると、そこで尾根道に出会った。そこからは南へと尾根を辿ることになるが、もう緩やかな道で、主尾根に着いてから7分で貴船山の山頂に到着となった。前回の記憶は薄らいでいたが、やはり展望の悪い山頂で、僅かに東の方向に伊勢山が眺められる程度だった。小休止を済ませると、尾根道を引き返した。そして鞍部まで戻って来ると、下山すべく南の方向へと谷間の道を辿った。以前は峠道としてよく歩かれていたのだろうが、歩く人がほとんど無くなって荒れ道に変わってきたとの印象を受けた。道幅は十分にあり、緩やかに下って行くと溜め池が現れた。そのほとりに立った後また道を辿ると、程なくゲートが現れた。ゲートの先で車道に出ることになり、そこから鴨池は目と鼻の先だった。朝は穏やかに晴れていた空も、その頃にはすっかり薄曇りに変わっていた。
(2014/4記)(2021/2改訂) |