大源寺山はガイド本では鶴嘴山の名で紹介されているが、鶴嘴山は屏風岩のピークと思っているので、昔からの名である大源寺山で呼んでいたいと思っている。その大源寺山の尾根は露岩地が多いため、展望は素晴らしいものの夏場は避けたい所である。そして冬の好日こそ楽しめる尾根ではと思っている。その考えで向かったのは2019年12月、正月休暇に入った初日のことで、朝から澄んだ青空が広がっていた。前回は2012年に訪れており、そのときと同様に南麓にある林間広場の駐車場に車を止めた。広場の北から始まる登山道は二方向あり、大源寺山への最短コースとなるタイコ岩コースに入った。そのコースは登る人が少ないのかシダが増えてヤブっぽくなっていた。ただ道ははっきりしていたので、コースが不確かになることは無かった。尾根が近づくとヤブっぽさは消えてスムーズに歩けるようになった。尾根に着くと北東に向かえば山頂で、南西方向は屏風岩コースだった。山頂に立とうと右手側の道に入った。尾根筋は以前のままの佇まいで、下草はほぼ無くごく易しく歩けた。山頂までに中間ピークがあり、そこは岩場のピークでタイコ岩の名が付いていた。その手前から露岩歩きとなり展望が一気に広がってきた。東から南、西へと遮るものの無い展望だった。タイコ岩か10分も歩けば大源寺山の山頂だった。この日は更に北東へと歩いて貴船山にも立つ予定だったが、どうも大源寺山だけで満足してしまい、前回と同様にそこから引き返して屏風岩の方向に向かうことにした。大源寺山は山頂の位置こそ展望は無かったが、少し戻った位置に展望地があり、そこでも南に広がる展望を楽しめた。そしてタイコ岩へと戻った。更に南西へと歩いて行くが、何とも易しい尾根で足取りは軽かった。次のピークは208mピークで、そこからは右手に揖保川を見ながら南へと向かった。その途中で左手からもう一つの登山道が合流した。その先のピークが屏風岩の頭となる鶴嘴山だった。足下の屏風岩を眺めた後は南へと下る一方となった。そして墓地まで下りてきたとき、それ以上尾根筋を辿るのは止めて東斜面の小径に入って麓を目指した。少々歩き足りない気持ちもあったがその頃には急速に雲が増え出しており、寒々しい感じになっていた。その空では楽しめないと気持ちを納得させて、駐車地点へと戻って行った。
(2020/4記) |