TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨編 
 
天王山    てんのうやま 262.5m 赤穂市
 
1/2.5万地図 : 備前三石
 
【2005年12月】 2005-81(TAJI)
 
   東麓の新田地区より  2005 / 12

 兵庫県は北部が日本海に面するだけに、冬の季節になると但馬から奥播州あたりまでは、どうしても時雨れがちの天気になるようだ。そのような天気の日は、冬にこそ晴れ間の続く瀬戸内海沿岸部へと関心が向かう。その瀬戸内海に面する町である赤穂市は平野部も広いが、そこを高山を始めとする低山がぐるりと取り囲んでおり、その幾つかの山には登山コースが作られて、冬の季節にはハイキングに好ましい地域と言えそうだ。
 2005年の12月17日は北の天気の思わしくない日だったが、そこで瀬戸内海に近い低山でもと「備前三石」の地図を眺めると、赤穂市街の西の方向にこのあまりなじみのない山が目に止まった。丸い山容で、小径でもあればごく簡単に山頂に立てそうだった。そして展望が有ればもうけものである。ただ地図を見る限りでは登山道は無さそうで、おまけに「点の記」も無く、情報は全く無い。ともかくヤブコギでも登ろうと、出かけることにした。小山なので11時頃からの登り出しを考えて自宅を出たのだが、国道2号線が工事で渋滞しており、赤穂市に近づいたときは11時を十分に回っていた。 国道250号線で赤穂市街を抜けて新田地区が近づくと、前方に天王山が見えて来た。地図で想像した通りの丸い姿だった。始めは東麓の木生谷集落側からを考えて向かったのだが、集落内は道が細く、また駐車出来そうな所が見当たらない。そこで南西方向から登ろうと、南麓側の折方集落内を抜けて山裾に向かった。無理なく山裾に着けたが、道路こそあるものの、どうも登山道らしきものは見られなかった。しかも山裾は完璧に害獣除けのフェンスが張り巡らされていた。その様子を見て、適当に登るしかないと諦めた。そこで駐車地点は南西麓にあるため池の近くとした。うろうろしていたため、歩き出したときに時計を見ると、もう昼が間近となっていた。ため池のそばからはフェンス沿いにケモノ道程度の小径が始まっていたので、最初はそれを歩いたが、その道はあくまでもフェンス沿いに続くだけだった。そこでフェンスを乗り越え易そうなところで越えて、山裾に取り付いた。そこは山頂から見ると、真南の位置だった。辺りは灌木に毛の生えた程度の木が多く、大きな木は見られない。木立の空いた所を選んで登って行くいくが、下草が茂っており、しかもイバラが多かった。がまんして登って行くが、手はすぐにひっかき傷だらけになってきた。それが一段落したのは中腹の露岩地に出たときだった。そこは展望が良く、南には赤穂港へとつながる風景が広がっていた。また少し位置を変えると南東に赤穂の市街地が望めた。強風の吹く日だったが、おかげで空気のチリは吹き払われたのか、恐ろしく澄んでいた。ただ風の冷たさも相当なもので、長くはじっとしておれなかった。その先もヤブコギは続く。やや急坂になったかと思うとシダヤブにも突っ込んで、これまた厳しいものだった。そこを抜けるとまた木立は空いて露岩地に出た。その先はケモノ道程度の小径が見えたので、それを辿ることにした。再び灌木帯へと入ったが、少しはばらけており、その中の小径を辿って行った。ケモノ道は西方向へと斜めに続いており、そして山頂の南西側に回り込んだ。その辺りでケモノ道は不確かになったが、後は北東に向かって山頂を目指すだけである。木立こそばらけていたが、イバラが多くてすぐにひっかかった。どうもイバラの多い山だった。がまんのうちに山頂に出たが、三角点はすぐには見当たらない。地図を改めて眺めると、山頂の少し北東よりに三角点記号が見えた。今少しイバラをかき分け、ようやく三角点に着いた。ちょっとした小山なのにここまで1時間半もかかってしまった。ともかく一安心である。そこはイバラ混じりの雑木が取り囲んでおり、展望は無い。せっかくの山頂なので少しは展望を得たいと周りを眺めると、南の方向の木立が空いていた。そこでそちらへと移動する。一帯は灌木がばらけており、まずまずの展望が広がっていた。そこでようやく一休みとした。展望が良いと、冷たい風が吹きつけてきた。そしてくっきりとした視界のもと、赤穂市街とその北にある赤穂の丘陵地が広がっていた。一休みの後、山頂から北の山並みを眺めたいと、少し北東方向へと歩いてみた。すると少し動くだけでまたイバラにひっかかった。それでもさほど歩かないうちに北の展望が現れた。期待通りに黒鉄山が間近に見えて、まずは満足だった。ただ北からの冷たい風に堪らず、すぐに退散である。下山は、始めは東の方向へとも考えていたのだが、また新たなヤブコギになりそうで、そこですんなりと登って来たコースを戻ることにした。登って来るときにイバラをハサミで切っておいたため、少しは楽だった。またシダヤブを迂回したため、まずまず無難に下れた。それでもフェンスの位置までに50分もかかっていた。下山を終えてから思ったことは、この山も市街地に近い山によくある、全く手入れをされずに放って置かれたままの山だったということだった。それでも新鮮な展望を得ることが出来て、登って良かったの思いで帰途に着いた。
(追記) 点名・鳶ノ巣を持つこの山の名を知り得なかったが、2008年7月に刊行された「赤穂の山とひと」により、天王山と知った。
(2005/6記)(2009/4追記)(2019/2写真改訂)
<登山日> 2005年12月17日 11:58スタート/13:28〜14:24山頂/15:14害獣避けフェンス/15:24エンド。
(天気) 国道2号線を走っているときに、北から雪雲が流れて来て小雪を舞わせたが、赤穂市街に入ったときは快晴の空だった。ただ北風が強く、身の切られる冷たさだった。その風のおかげか、視界は澄み切っており、山の稜線がくっきりと見えていた。気温は低く、山頂で4℃だった。
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中腹の露岩地に立
って南から南西に
かけてを眺めた

南に見えるのは赤
穂港だった
上の写真の小豆島を大きく見る 山頂の三角点はヤブの中だった 山頂そばの展望地より山頂方向を見る
山頂そばの展望地より南東方向を見る 左の写真の市街地を大きく見る
上の写真に写る高山を大きく見る 瀬戸の海に家島諸島を見る 赤穂市街を望む

山頂より北東に向
かうと西から北に
かけて広く眺めら
れた

黒鉄山が大きかっ